Philly Fed Index Slides Again From 33-Year High.
米4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、米4月ダラス連銀、リッチモンド連銀製造業景況指数、米3月鉱工業生産、米4月マークイット製造業PMIをおさらいしていきます。
米4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(フィリー)は22となり、市場予想の25.5を下回った。3月の32.8や、1973年4月以来の高水準を遂げて2月の43.3からは低下している。税制改革の素案発表が4月26日まで遅れるなど、期待された経済政策が進展せずセンチメントが鈍化しつつあるようだ。内訳をみると、新規受注、出荷、仕入れ価格などが低下。雇用や在庫は改善している。詳細は、以下の通り。
・新規受注 27.4、9ヵ月連続で分岐点乗せ<前月は38.6と1983年11月以来の高水準6ヵ月平均は26.7
・出荷 23.4、12ヵ月連続で分岐点に乗せ<前月は32.9 と2004年7月以来の高水準、6ヵ月平均は24.0
・在庫 17.8、2ヵ月連続で分岐点に乗せ少なくとも2015年2月以来の高水準>11.8、6ヵ月平均は3.8
・雇用 19.9、5ヵ月連続で分岐点に乗せ2011年2月以来の高水準>前月は17.5、6ヵ月平均は10.1
・週当たり平均労働時間 18.9、2004年2月以来の高水準>前月は18.5、6ヵ月平均は11.4
・受注残 6.6<前月は14.4、6ヵ月平均8.2
・入荷時間 13.2>前月は4.5、6ヵ月平均は6.1
・仕入れ価格 33.7、14ヵ月連続で分岐点に乗せ<前月は40.7と2011年5月以来の高水準、6月平均は32.1
・販売価格 16.6<前月は20.6、6ヵ月平均は16.5
6ヵ月先見通し指数は45.4と、米大統領選挙後の上昇を打ち消した。前月は59.5と、2003年9月以来の高水準を達成していた。
▽米4月リッチモンド、ダラス連銀製造業景況指数は前月以下
米4月ダラス連銀製造業景況指数は16.8となり、市場予想の17を下回った。前月の16.9にも届かず。ただし、7ヵ月連続で分岐点を維持している。米4月リッチモンド連銀製造業景況指数は20と市場予想の15を上回ったが、前月の22には届かず。石油生産地域を含む両地区連銀のセンチメントはピークアウト感を漂わせている。
NY連銀やフィラデルフィア連銀など、各連銀の製造業景況指数はそろって前月以下。
▽米3月鉱工業生産、前月から回復も暖房需要が支え
米3月鉱工業生産指数は前月比0.5%の上昇となり、市場予想の0.2%を上回った。前月の0.1%の上昇(±0%から上方修正)に続き、2ヵ月連続でプラス。ただし北東部の大雪を受け暖房需要が全体を支えており、必ずしも製造業活動が回復の勢いを強めたとは言い難い。稼働率は76.1%と、市場予想に並びんだ。前月の75.9%(75.4%から上方修正)も超え直近で最高だったものの、リセッション前の80%に距離を残す。
内訳をみると、製造業(全体の78.5%)が足元久々に低下、米3月新車販売台数が軟調だったように自動車が弱い。自動車を除いた製造業も0.2%の低下となった。一方で公益(全体の10.8%)は、北東部を中心に大雪に見舞われたため暖房需要が高まり3ヵ月ぶりに大幅反発。鉱業(全体の10.8%)は原油価格が安定するなか、小幅ながら3ヵ月連続で上昇した。
・製造業 0.4%の低下<前月は0.3%の上昇、6ヵ月平均は0.2%の上昇
あ自動車 3.0%の低下<前月は1.1%の上昇、6ヵ月平均0.4%の低下
あ機械 0.5%の低下<前月は0.7%の上昇、6ヵ月平均は0.4%の上昇
あコンピューター/電気製品 0.9%の上昇>前月は0.5%の低下、6ヵ月平均は0.5%の上昇
・公益 8.6%の上昇>前月は5.8%の低下、6ヵ月平均は0.4%の低下
あ電力 7.0%の上昇>前月は5.5%の低下、6ヵ月平均は0.6%の低下
あ天然ガス 21.5%の上昇>前月は8.3%の低下、6ヵ月平均は2.6%の1.8%の上昇
・鉱業 0.1%の上昇<前月は2.9%の上昇、6ヵ月平均は1.0%の上昇
鉱工業生産、回復の芽は伸びつつあるもまだ限定的。
▽米4月マークイット製造業PMI・速報値、米大統領選前の水準へ回帰
米4月マークイット製造業PMI速報値は52.8と、市場予想の53.8並びに前月の53.3を下回った。2015年3月以来の高水準だった1月の55.0から低下を続け、米大統領選後の上昇を打ち消し7ヵ月ぶりの低水準だった。
クリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受け「2年ぶりの高水準をつけた1月から低下を続け、製造業活動が一段と鈍化した兆しを見せている」とまとめた。
(カバー写真:darkday/Flickr)
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