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米4月CPI、前月比は改善も前年比で減速し基調は鈍い

by • May 15, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1316

Consumer Price Index Rebounds Modestly In April.

4月の消費者物価指数、生産者物価指数をおさらいしていきます。

米4月消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇し、市場予想と並んだ。13ヵ月ぶりのマイナスを示した前月の0.3%の低下から回復している。原油先物が一時53ドル台へ戻すなかエネルギーが1.1%上昇、ガソリン価格も1.2%上昇しそろって3ヵ月ぶりに反発。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は4月に一時2.449ドルをまで上昇、2015年8月以来の水準へ上振れしていた。一方で、食品・飲料は0.2%の上昇し4ヵ月連続でプラスを保つ。

CPIコアは前月比0.1%上昇し、市場予想の0.2%に届かず。2010年1月以来のマイナスを示した前月の0.1%の低下から回復も、勢いは感じられない。項目別では、サービスが0.2%上昇し直近で久々にマイナスに転じた前月の0.1%の低下から改善。帰属家賃が0.2%上昇しプラス圏を維持したほか、輸送が0.1%上昇し3ヵ月ぶりにプラスに転じた。タバコも4.2%と大幅に上昇。しかし、全般的には芳しくない。新車は0.2%低下し3ヵ月連続で落ち込み、中古車も0.5%の低下と4ヵ月連続でマイナスを示す。航空運賃も0.6%の低下に転じた。服飾は0.3%と2ヵ月連続で低下し、娯楽も0.1%の低下と前月の横ばいからマイナスへ転じている。医療費も0.2%の低下と、直近で久々のマイナスだった。

CPIは前年比で2.2%上昇し、市場予想の2.3%を下回った。3月の2.4%に届かず、4ヵ月ぶりの低水準。2011年8月以来の高水準を示した2月の2.7%から遠ざかりつつある。コアCPIは1.9%上昇、こちらも市場予想並びに前月の2.0%以下にとどまり2015年10月以来の2%割れを示した。

CPI、エネルギー価格の上昇に反しコアの伸びが限定的。

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(作成:My Big Apple NY)

▽米4月PPI、前月比・前年比とも力強く改善

米4月生産者物価指数(PPI)は前月比0.5%上昇し、市場予想の0.2%を超え2016年6月以来の高水準となった。7ヵ月ぶりのマイナスに振れた前月の0.1%の低下から大幅改善している。原油価格が4月に53ドル台を回復したように、エネルギーが牽引。PPIコアは前月比0.4%上昇し、こちらも市場予想の0.2%を超えた。前月の0.1%も超え、2016年1月以来の高い伸びとなる。

PPIは前年同月比で2.5%上昇し、市場予想の2.4%を下回った。前月の2.3%を超え8ヵ月連続でプラスをたどっただけでなく、2012年2月以来の水準へ上振れしている。コアPPIは市場予想及び前月値の1.6%を上回り1.9%の上昇、2014年10月以来の高水準だった。

PPI、原油価格の回復につれ前年比では上昇継続。

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(作成:My Big Apple NY)

――4月はCPIが改善したものの勢いに乏しく、PPIは逆に力強く反発しました。直近の物価上昇が最終価格に波及せず、企業の利益率低下が懸念されます。新車販売が軟調な動車に加え、店舗閉鎖が相次ぐ百貨店なども値下げ競争が激化し、物価を押し下げた模様。エネルギー価格が上振れしなければガソリン価格の安定推移も予想され、インフレは落ち着いた推移となり得ます。とはいえCPIコアは2%付近を維持しており、完全雇用に接近中の労働市場を踏まえればFedが6月利上げを断念することはないでしょう。

(カバー写真:Lou Bueno/Flickr)

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