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米4月中古住宅販売成約件数指数、在庫不足が仇となり2ヵ月連続で低下

by • June 1, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1402

Pending Home Sales Fail To Rebound In April.

米4月中古住宅販売成約件数指数、MBA住宅ローン申請件数指数、米5月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)をおさらいしていきます。

米4月中古住宅販売成約件数指数は前月比1.3%低下の109.8となり、市場予想の0.5%の上昇に反する結果となった。前月の0.9%の低下に続き、過去6ヵ月間で4回目のマイナスとなる。ただし指数としては高い水準を保つ。季節調整前の前年比では5.4%低下し、前月の0.5%の上昇から転じた。

4大地域別では、3月に続き前月比にて1地域のみ上昇した。IT産業を抱える西部が5.8%上昇とプラスに反転した程度となっている。そのほか中西部は4.7%低下、北東部も1.7%低下しそれぞれ2ヵ月連続で低下。住宅市場の規模が最も大きい南部は2.7%低下、5ヵ月ぶりに落ち込んだ。

発表元である全米リアルター協会(NAR)のローレンス・ユン主席エコノミストは、結果を受け「中古住宅の在庫は前年比で9%減となっており、潜在顧客は在庫不足と価格上昇のダブルパンチを受けている」と指摘。もっとも「5年先に若い世代が減少する見通しであり、賃貸市場は軟化が見込まれるため徐々に投資家が売却に着手し在庫状況は改善するだろう」と予想した。

なお中古住宅販売成約件数指数は、中古の一戸建ておよびコンドミニアムにおける契約が仮契約から最終契約にいたった件数を指数化したもので、中古住宅販売件数は引き渡しの件数を示す。従って、成約件数の約80%が1~2カ月後に中古住宅販売件数として組み込まれる。

――住宅購入シーズンの到来に合わせ金利上昇が一服し、新規購入者をはじめ買い手が動き始めています。トランプ政権の税制改革が、買い意欲を一段と促すか注目。ただ価格は上昇基調をたどり、新規購入者より投資目的での購入が増える可能性を残します。

▽MBA住宅ローン申請件数指数、金利低水準も借換・新規ともに低下

全米抵当貸付銀行協会(MBA)住宅ローン申請件数指数は、5月26日週に前週比3.4%低下し402.2となった。前週から低下に転じ、過去5週間で3回目のプラスを示す。借換が5.6%低下の1323.1と低下に転じたほか、新規も1.4%低下の238.1と2週連続で低下した。住宅ローン申請件数指数は前年比では13.8%低下しマイナス基調を維持している。

30年固定金利型の住宅ローン金利(平均)は前週の4.17%で変わらず。前年同期の3.85%を上回ったままだ。15年固定金利型(平均)は3.42%と、前週の3.45%から低下。FHAのローン金利は4.03%と、こちらも前週の4.07%を下回った。申請全体に占める借換の割合(件数ベース)は43.2%と、前週の43.9%から低下。前年同期の44.0%を小幅に下回る。

MBA住宅ローン申請件数指数、伸び悩みが継続。

mba

(作成:My Big Apple NY)

MBAのマイケル・フラタントーニ主席エコノミストは、結果を受け「全米にわたり在庫不足で、住宅価格の値上がりもインフレの3倍以上とあって住宅販売が抑制されている」と振り返った。

▽米5月シカゴPMI、2014年6月以来の水準へ上振れ

米5月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は59.4となり、市場予想の57を上回った。前月の58.3を超え、2014年6月以来の高水準。各地区連銀が発表する製造業景況指数では5地区連銀中、前月を上回った地区連銀は3行でISM製造業景況指数が改善する可能性がある。なおブルームバーグが集計したエコノミスト予想平均は54.7で、4ヵ月ぶりの低水準だった前月の54.8を下回る見通しだ。

(カバー写真:Jake Rustenhoven/Flickr)

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