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サウジなど中東4ヵ国がカタールと断交、原油は時間外で1.5%近く上昇

by • June 5, 2017 • Latest News, NY TipsComments Off3004

Saudi Arabia, UAE, Bahrain And Egypt Cut Diplomatic Ties With Qatar.

サウジアラビアを中心にバーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプトがカタールと外交的関係を断つと発表しました。サウジアラビアによると、カタールがイスラム過激派の“アルカイダ”や“ムスリム同胞団”を支援してきた問題を取り上げ、テロや過激派による攻撃を阻止する目的で陸海空での人的往来を停止するといいます。

カタールと言えば、5月末にSheikh Tamim bin Hamad al-Thani首長が湾岸諸国を批判した問題で中東諸国と緊張が走ったばかりでした。同首長がイランとの緊張緩和を求めたとの発言が伝えられた後、カタール側はハッカー攻撃による“フェイク・ニュース”だったと主張。サウジをはじめ中東諸諸国は一連の説明を拒否し、カタール首長を批判し続けたものです。

中東専門家が「カタールの食を握るのはサウジアラビアやバーレーなど中東諸国」と指摘するように、2015年の食品関連輸入のうち中東・北アフリカだけで43%を占めています。特にUAEは15.3%、サウジアラビアは14.2%と突出して高い。なぜかというと、砂糖などに食料品に依存するだけでなくここを経由して食材が運び込まれているためです。今回、断交を決断した4ヵ国のうち2ヵ国がカタールの食の安定を握るだけに、カタールにとっては兵糧攻めも同然です。

こうした環境を見越したのか、WTI原油先物は一時1.45%高の48.35ドル、ブレント原油先物は1.6%高の50.74ドルまで上昇。その後は共に伸び悩んでいます。

今回の断交で、トランプ政権がどのような決断を下すのかも注目。カタールの首都ドーハ南部には、米国中央軍司令部を置くウディド空軍基地が存在します。今回の断交が、駐留米軍1万人にどのような影響を与えるのかは現時点で未知数です。

ペルシャ湾の要衝であるカタール、赤い印はウディド空軍基地の場所。
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(出所:Google)

ティラーソン米国務長官は訪問中のシドニーでいち早く反応しつつ「今回の事態が大きな影響を与えるとは予想せず・・一連の国々はテロやイスラム国などとの戦いで結束しており、リヤドでのサミットで共闘の意思を表明していた」と発言するにとどめました。ただしトランプ米大統領は就任後初の外遊で初めて訪問したサウジアラビアにてサルマン国王と会談し、5月20日に1,100億ドル相当の武器売却で合意したことは記憶に新しい。当時、ティラーソン米国務長官も武器供与の目的がイランの影響抑制であり、イランから派生する脅威の阻止と言及していました。

トランプ政権がどのようなカードを切るのか、NY時間がオープンしてまもなく明らかになるでしょう。

(カバー写真:. Shell/Flickr)

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