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米9月CPI、イエレンFRB議長の発言に反しコアは軟調

by • October 16, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1651

Core Inflation Subdued Despite Of Yellen’s Remark.

米9月の消費者物価指数、生産者物価指数をおさらいしていきます。

米9月消費者物価指数(CPI)は前月比0.5%の上昇となり、市場予想の0.6%を下回った。前月の0.4%を含め3ヵ月連続で上昇、伸び率は1月以来の力強さを示す。8月末にハリケーン“ハービー”、9月初旬に“イルマ”が直撃した影響でガソリン価格が急伸した結果、エネルギーが6.1%の上振れを迎え、2ヵ月連続でプラスに。ガソリンが前月の6.3%から13.1%へ跳ね上がり、エネルギーを押し上げた。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は9月に一時2.685ドルと2014年12月以来の水準へ高騰、その後はハリケーンの通過に伴い2.504ドルへ押し返された。一方で、食品・飲料は前月と変わらず0.1%の上昇となり、3ヵ月連続でプラスだった。

CPIコアは前月比0.1%上昇し、市場予想並びに前月の0.2%から鈍化した。項目別では、サービスが0.2%上昇し6ヵ月連続でプラスを示したが、前月の0.3%以下に。帰属家賃が前月の0.3%から0.2%、かつ家賃が前月の0.4%から0.2%と、それぞれ前月を下回り住宅が0.2%の上昇と前月の0.4%から鈍化した。ガソリン価格が急伸した半面、輸送は0.3%の上昇となり、前月の0.4%以下に終わっている。航空運賃は前月の1.0%の低下に続き0.1%のマイナスを示した。中古車は0.2%の低下と9ヵ月連続でマイナスを示したほか、新車も0.4%低下し前月の横ばいからマイナス基調へ戻した。医療費と服飾はそれぞれ前月の上昇を打ち消し、0.1%低下した。一方で娯楽は0.2%上昇、前月と変わらぬ伸びで3ヵ月連続のプラスを示す。教育は2ヵ月連続で0.1%低下した後で、0.1%の上昇へ反転した。

CPIは前年比で2.2%上昇し、市場予想の2.3%を下回ったものの前月の1.9%を上回り5ヵ月ぶりの高水準に並んだ。コアCPIは市場予想の2.3%に届かず、5ヵ月連続で2015年5月以来の低水準となる1.7%にとどまった。

CPI、エネルギーのほか娯楽、教育以外は伸び悩み。

cpi
(作成:My Big Apple NY)
▽米9 月生産者物価指数、ハリケーン後にコアと合わせ改善

米9 月生産者物価指数(PPI)は前月比0.4 %上昇し、市場予想と一致した。前月の0.2%を超え、5ヵ月ぶりの強い伸びに。9月はハリケーン“ハービー”や“イルマ”の影響でガソリン価格が2014年末以来の高値へ振れた結果、エネルギーが3.3%の上昇と全体を押し上げた。PPIコアは前月比0.4%上昇、市場予想通りとなり前月の0.1%からも加速した。ヘッドラインと同じく、5ヵ月ぶりの高い伸びとなる。

内訳をみると、財は0.7%上昇し、前月の0.5%から加速し直近で最大の伸びとなった。エネルギーが3.4%上昇し、2ヵ月連続で3%乗せを示す。食品は前月に1.3%低下してから、今回は±0%だった。サービスは0.4%上昇、前月の0.1%を上回った。

PPIは前年同月比で2.6%上昇し、市場予想と一致した。13ヵ月連続でプラスとなり、前月の2.4%を超え2012年2月以来の高水準を達成している。コアPPIは市場予想の2.0%を超え2.2%の上昇となり、2012年5月の高水準に並んだ。

PPI、コアともに加速。

ppi1
(作成:My Big Apple NY)

――9月のPPIは上振れしたものの、CPIはコアで低水準を維持し明暗を分けました。コアCPIは前月に上向いた帰属家賃の鈍化が響いたほか、全般的に物価の下押しが目立ちPPIはもちろん、イエレンFRB議長の発言と合致せず。恐らく価格競争力が背景にあり、例えばCPIではオンライン小売と旗艦店舗の競争が激化する服飾、さらにハリケーン需要が見込まれたとはいえ値下げが著しい自動車などが引き続き弱い。このままでは企業の利鞘縮小を招きかねません。米7~9月期決算は好調な数字が見込まれていますが、前年がエネルギーで押し下げられた要因を踏まえると、好業績の維持には利鞘拡大が必要と言えるでしょう。

(カバー写真:D K/Flickr)

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