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ECBは資産買入縮小を決定、オープンエンド型を強調も出口へ一歩進む

by • October 27, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off820

ECB To Begin Scaling Back, A Small Step To Exit.

欧州中央銀行(ECB)は26日、フランクフルトで定例理事会を開催した。政策金利にあたるリファイナンス金利は、市場予想通り0%で維持。上限金利の限界貸出金利も0.25%、下限金利の中銀預金金利もマイナス0.4%で据え置いた。金利据え置きは8回連続となる。

資産買入プログラム(APP)は、市場予想通り変更を発表した。変更は、2016年12月以来2回目。今回、資産買入額を従来の600億ユーロから300億ユーロへの減額を決定した。ドラギ総裁が記者会見で読み上げた声明によれば、資産買入額は2018年から減額させ、2018年9月まで継続する。ただし「目標と整合的な水準で持続的に物価が推移するまで、必要とあれば」資産買入策を維持する方針を表明、見通しや金融動向次第で、資産買入額を拡大し買入期間も延長する構えをみせた。

APPで取得した債券が償還を迎える場合、元本の再投資を行うとも発表した。APPの終了後も、必要な限り続けるとし、バランスシートの水準を維持する意志を示す。その他、3ヵ月物の長期資金供給オペ(LTRO)は少なくとも2019年12月まで、固定金利・全額割当方式で実施すると表明した。なお、2014年6月に導入を発表した第1弾の貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)は2016年6月に終了、2016年3月に決定した第2弾のTLTROは2017年3月に幕を閉じた。

ドラギ総裁、記者会見の質疑応答を含むポイントは以下の通り。

(緩和策について)
・インフレ圧力が高まり続け物価を中期的に押し上げるまで、潤沢な金融刺激が必要。
・追加的な資産買入、取得した債券の規模、今後の再投資、低金利におけるフォワード・ガイダンスが金融支援を与える。
資産買入のストック(すなわちバランスシートの)は、かなり重要になった
・金融緩和は、4年間で700万件以上の雇用創出につながった
理事会メンバーの多くは、オープンエンド型のAPPを支持
APPはオープンエンド型であり、突然停止しない

(経済見通しについて)
ユーロ圏成長見通しへのリスクは均衡
・ただし、センチメントは予想以上の成長率となる可能性を示唆
・世界経済と為替の動向による下方リスクは継続
・原油先物動向を受け、インフレは今後ベース効果により一時的に鈍化する可能性
・インフレは2017年序盤からゆるやかな上昇の兆しがみえるものの、持続的ではない
・賃金は幾分上昇も、全体的には抑制的なまま。
・物価は政策手段に支えられ経済が拡大し続けるに合わせ、ゆるやかに上昇し続ける見通し。
・域内の物価上昇圧力は限定的で、経済見通しと物価の道筋は未だ条件付きであり、金融政策の支援が必要。

ドラギ総裁、「オープンエンド型」をアピール。なお9月時点のECBスタッフ見通しはこちら。
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(出所:ECB/Twitter)

JPモルガンの経済調査部マネージング・ディレクター、デビッド・ヘンズリー氏は結果を受け「ドラギ総裁はAPP終了時期のヒントを与えなかったが、当方は2018年10~12月期にを図ると見込む」との見解を寄せた。もっとも、2018年10~12月期に即座に終止符を打つのではなく「月額150億ユーロへ削減し、段階的にゼロへ引き下げるテーパリングの決定」を予想。その上で「2019年6月に中銀預金金利を15bp引き上げ、2019年12月に全体の金利を25bp引き上げ、2020年以降は年3回の利上げを行う」とのシナリオを描く。

――仮にJPモルガンの予想通りに進めば、2019年末に任期満了を迎えるドラギ総裁の後任に、独連銀のバイトマン総裁が就任する可能性が開けるような気がするのは筆者だけでしょうか。問題は、バトンタッチの頃までに経済が堅調なペースでの拡大を維持できているかどうかです。Fedの利上げ開始から丸4年を迎えるタイミングとなるわけですよ。

過去を振り返ると、利上げの後は波乱含み。

ff
(作成:My Big Apple NY)

しかも、FRB議長が交代するとなれば・・・。イエレンFRB議長の再任なしとの報道を受け米10年債利回りは足元で3月以来の2.4%乗せ、VIX指数も9月初め以来の11台へ上昇するなど、ボラティリティが高まり始めてきました。引き続き株式市場はユーフォリア状態ですが、パーティーはいつか終幕するものです。

(カバー写真:European Central Bank/Flickr)

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