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広告業界誌が選ぶ”今年一番のカバー”と、ロシアゲートの関係

by • October 30, 2017 • Latest News, NY TipsComments Off2764

This Year’s Cover Chosen By Adweek Has Something To Do With Russia-gate.

米大統領選をめぐるロシア干渉疑惑で、遂に進展がありました。モラー特別検察官は30日、米大統領選でトランプ陣営の選対本部長を務めていたポール・マナフォート氏と同氏のビジネス・パートナーであるリック・ゲーツ氏を起訴したのです。脱税やマネーロンダリング、ロシア政府との癒着など12の罪状が含まれ、ロシアゲートが浮上してから初めての起訴となります。

マナフォート氏と言えば、1976年にフォード陣営で選対スタッフとしてのキャリアをスタートさせレーガン元大統領、ブッシュ元大統領にも仕えたベテラン選挙参謀でした。その手腕が買われたのか米国を飛び出し、親ロシア派のヤヌコビッチ前大統領に助言を行ったのが、運の尽き。今回の起訴を招くことになってしまいます。

個人的には、5月の段階でNY州とNY市の司法当局がマナフォート氏が所有する5thアベニューのトランプ・タワーなどの不動産取引の調査を開始しただけに、マナフォート氏の告訴は時間の問題だろうと感じていました。スピッツァー元NY州知事が売春組織の利用で辞任に追い込まれた当時も、両当局が早々に動いたものです。

アジア歴訪直前のトランプ政権へ火種が及ぶのか耳目が集まるなか、広告業界誌アドウィークが選んだ”今年の雑誌カバー”はまるでニュースを先取りしたかのようでした。こちらをご覧下さい。

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(出所:Adweek

ご存知、ニューヨーカー誌(3月6日号)の表紙です。フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)が辞任したばかりとあって、ロシアゲートならぬクレムリンゲートとの言葉が使われていた頃でしょうか。ニューヨーカー誌のマスコット、ユスタス・ティリーの代わりに”ユスタス・ウラジミロビッチ・ティリー”と題しプーチン露大統領を描き、サブキャラの蝶々をトランプ米大統領の顔に仕立て、風刺を効かせました。ニューヨーカー誌のタイトル文字も、キリル文字に変えることも忘れません。絶妙なユーモアが見る者の心を奪い、3月6日号は2012年以来で最大の販売部数を記録したといいます。ブルー・ステーツを中心とした反トランプ寄り読者が雑誌を手に取ったことは想像に難くありません。

その他、出版業界を揺るがせた雑誌はこちらでご覧になれます。こうしてみると、ヴォーグやGQなど、コンデ・ナスト社の雑誌がひしめく。業界のパワーバランスを考えると、”そ”から始まる言葉が頭に浮かぶのは筆者だけでしょうか。

(カバー写真:Adweek

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