Can Trump Show His Skill As A Deal-Maker In China?
初来日を経て、8日から10日にかけトランプ大統領は中国を訪れます。
中東・欧州各国を歴訪した際、サウジアラビアと最大4,000億ドルもの投資で合意しボーイングやハネウェルが恩恵を受けたとされているだけに、初訪中で是非とも対中貿易赤字縮小を狙った中国からの投資を引き出したいところでしょう。既に、中国とも数十億ドル規模の覚書を締結する可能性が取り沙汰されていますね。事前報道通り、シノペックが関与し中国へのLNG輸出をにらんだパイプライン・貯蔵施設建設で合意に漕ぎ着けるか注目。シノペックの対米投資を呼び込むだけで年間の貿易赤字を100億ドル縮小できる(9月までの年初来・対中貿易赤字はこちら)のであれば、尚更です。さらに農業、化学、環境、廃水のほか、金融・保険が加わったように、100日計画に関与する分野で米企業の進出を促せるのか試されます。
(出所:CNBCを基にMy Big Apple NY作成)
さて今回の通商派遣団ですが、ムニューシン財務長官など閣僚を輩出したゴールドマン・サックスや、2016年の米大統領選挙でトランプ陣営に寄付を行ったフリーポイント・コモディティーズなど、政権に近い企業ばかりで構成されているわけではありません。米商務省が呼びかけに応じ、自主的に参加した企業も含まれているもようです。というのも、事前にこちらのような募集要項が掲載されていたのですよ。
目的として1)対中輸出促進、2)米中企業間の関係進展、3)米企業が直面する中国での市場アクセス障害の打開――が挙げられます。応募締め切りは、10月6日でした。この間にトランプ政権側が中国側とどのような交渉を展開してきたかは、大統領が訪中で手にする成果で判明することでしょう。
航空機関連では、功績を上げる可能性が高い。といいますのも、トランプ大統領の訪中直前の10月27日に米中が二国間の航空保安合意に署名済みなんですね。航空機及び関連機器のデザインや製造過程など双方の規制を尊重する合意であり、ボーイングの中国でのエクスポージャーを拡大させる利点がある一方で中国側の航空機製造の一助となり得ます。
(追記)また金融関連でも、静かに6日には、中国の政府系投資会社の中国投資(CIC)は、米国の製造業に最大50億ドル投資する計画をめぐりゴールドマン・サックスと提携したとの報道が飛び出しましたね。7日には、中国が証券合弁への外銀出資規制を緩和する方針も伝わってきました。
その他の分野でも、こうした外交努力がトランプ大統領の訪日前に続けられていたに違いありません。
(カバー写真:The White House/Flickr)
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