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米9月貿易赤字は拡大、5ヵ月ぶりに輸入が増加

by • November 6, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off561

Trade Deficit Widens As Import Increase First Time In 5 Months.

米9月貿易収支、米10月ISM非製造業景況指数、米10月IHSマークイット・サービス業PMI確報値をおさらいしていきます。

米9 月貿易収支は434.95億ドルの赤字となり、市場予想の432億ドルとほぼ変わらなかった。2016年9月以来の低水準前月の427.65億ドル(423.95億ドルから修正)から1.7%増加している。原油関連を除く貿易赤字は398.47億ドルと5ヵ月ぶりの低水準だった前月の379.20億ドル(375.50億ドルから修正)を上回った。

内訳をみると、輸出が1,968.16億ドルで、前月から1.1%増加した。前月の2ヵ月連続で増加し、2014年12月以来の高水準を示す。ただ輸入が1.2%増(5ヵ月ぶりに増加)の2,375.09億ドルと8ヵ月ぶりの高水準となり、小幅ながら赤字拡大を促した。

輸入が5ヵ月ぶりに増加し、貿易赤字は拡大。

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(作成:My Big Apple NY)

国内総生産(GDP)の算出に使用されるインフレを除いた実質ベースのモノの赤字は、622.05億ドルだった。前月の621.66億ドル(617.61億ドルから修正)を超え、4ヵ月ぶりの水準へ増加している。

なお2016年の貿易赤字はモノ・サービスを合わせて国際収支ベースで前年比0.4%増の5025.52億ドルで、2012年以来で最大を示した。商品市況の下落を背景に輸入が1.9%減の2兆7,116億ドルだったものの、ドル高を背景に輸出が2.3%減の2兆2,094億ドルだったため赤字が膨らんだ。2015年の貿易赤字は前年比4.6%増の5,315億ドルと、2012年以来で最大を記録した。モノの貿易赤字は米国勢調査局ベースで1.5%減の7,343.32億ドルとなる。

9月の輸出内訳をみると、モノは前月比1.4%増と過去5ヵ月間で4回目の増加となった。産業財が大幅増だったほか食品・飲料、サービスも小幅ながら寄与するなど、前月とほぼ正反対の結果となる。一方で資本財、自動車関連、消費財が減少した。

(増加項目)
・産業財 5.1%増、過去5ヵ月間で2回目の増加>前月は2.6%減
・食品・飲料 0.7%増、過去5ヵ月間で3回目の増加>前月は3.7%減
・サービス 0.4%増、過去5ヵ月間で4回目の増加>前月は0.1%増

(減少項目)
・資本財 0.5%減、過去5ヵ月間で2回目の減少<前月は0.9%増
・消費財 1.3%減、過去5ヵ月間で3回目の減少>前月は6.5%増
・自動車 1.4%減、過去5ヵ月間で2回目の減少<前月は0.5%増

輸入の内訳をみると、モノは1.2%増と5ヵ月ぶりに増加した。原油価格が50ドル台を回復する過程で、量ベースでのエネルギー関連輸入が13.1%減と過去4ヵ月で3回目の減少に。金額ベースでも減少した。エネルギー製品を除いたモノの輸入は1.2%増と、前月の0.6%減から転じ過去4ヵ月間で3回目の増加を示す。項目別では産業財をはじめ資本財、消費財などが増加した。詳細は、以下の通り。

(増加項目)
・産業財 2.7%増、過去5ヵ月間で2回目の増加>前月は1.2%減
・資本財 2.7%増、過去5ヵ月間で4回目の増加>前月は0.9%減
・食品・飲料 1.8%増、過去5ヵ月間で3回目の増加>前月は0.7%減
・消費財 0.7%増、過去5ヵ月間で2回目の増加>前月は0.2%増

(減少項目)
・自動車 1.8%減、過去5ヵ月間で3回目の減少>前月は2.3%増

国別でのモノの貿易収支動向を前月比でみると、中国への赤字は前月比0.7%減の346.38ドルと7ヵ月ぶりに減少し2015年8月以来の水準となった前月値を下回った。日本への赤字は26.2%減の48.39億ドルと前月から減少。欧州全体への赤字額は10.8%減の129.15億ドルと、前月から減少に転じた。英国との貿易収支は12.26億ドルの黒字となり、2ヵ月連続で黒字となる。

主な原油輸出国への貿易収支は、輸入量が減少したため赤字拡大が優勢だった。カナダへの貿易赤字は68.8%減の2.48億ドルと、前月の7.94億ドルから赤字幅が大きく縮小しつつ15ヵ月連続で赤字を計上している。メキシコに対する赤字額は、7.8%減の57.04億ドル。石油輸出国機構(OPEC)への貿易収支は6.25億ドルと、前月の14.57億ドルの赤字から8ヵ月ぶりの黒字に転じた。

以下は、今回の各国ごとの年初来・前年比ベースの貿易収支動向。貿易赤字は中国やメキシコ、日本アイルランド、ベトナム、イタリアで増加した一方で、ドイツ、マレーシア、インド、韓国などドイツ以外のアジア諸国で減少した。その他、輸出や輸入を含めた動向は以下の通り。

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(作成:My Big Apple NY)

――2017年から純輸出が成長に寄与する通り、貿易赤字は輸入が拡大しても大幅に悪化せず安定した推移を続けています。ただし、アトランタ地区連銀は米9月製造業受注の結果と合わせ、米10~12月期GDP実質成長率の予測値を従来の前期比年率4.5%増から3.3%増へ下方修正NY地区連銀は逆に3.16%増と、従来の3.05%増から引き上げました。いずれにしても3%成長が見込まれ、3期連続を達成すれば2004年4~6月期から2005年1~3月期の4期連続以来となります。金融危機後の景気回復サイクルでの快挙を達成する軌道にあり、トランプ米大統領としては低支持率以外に1期目の成長率で記録に名を残すことになりそうです。

▽米10月ISM非製造業景況指数、約12年ぶりの高水準

米10月ISM非製造業景況指数は60.1となり、市場予想の58.5を上回った。前月の59.8を超え、2005年8月以来の高水準を達成している。米10月雇用統計と歩調を合わせ、サービス業の好調ぶりを表した格好だ。

内訳をみると、ビジネス活動のほか雇用、新規輸出受注などが全体を押し上げた。16業種のうち、拡大を報告したセクターは14業種となり、教育サービスと芸術・娯楽・レクリエーションのみ縮小した。詳細は、以下の通り。

・ビジネス活動 62.2>前月は61.3、6ヵ月平均は59.7
・新規受注 62.8<前月は63.0、6ヵ月平均は59.4
・雇用 57.5>前月は56.8、6ヵ月平均は56.3

・新規輸出受注 60.0>前月は56.0、6ヵ月平均は55.6
・在庫変化 52.5>前月は51.5、6ヵ月平均は54.3
・仕入れ価格 62.7<前月は66.3、6ヵ月平均は57.3

▽米10月IHSマークイット製造業PMI確報値、前月と変わらず

米10月マークイット・サービス業PMI確報値は55.3となり、速報値の55.9から下方修正された。前月と変わらず、2015年11月以来の高水準だった8月の56.0付近の水準を保った。総合指数も52.3と、速報値の52.0から上方修正され前月の51.5を超えた。

クリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受けて「製造業のPMIと合わせ、ハリケーン関連のサプライチェーン障害が改善し、労働市場と同じく3%成長のような力強さをみせた」と振り返る。その上で「12月利上げの可能性を高めた」と結んだ。

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(作成:My Big Apple NY)

――サービス業の景況指数はISMで力強さが鮮明となった一方で、IHSマークイットは伸び悩みました。10月はハリケーン効果でトレンドを見出しづらい上、ホリデー商戦のかさ上げも考えられ、ISMは上振れした可能性を残します。雇用統計も、ホリデー商戦効果が減退する11月には完全雇用の接近に伴う雇用鈍化を確認しないとも言い切れず。過去の例でいうなら、今回を除き2000年以降で60台に乗せたのは2004年1月(61.2)と2005年8月(61.2)の2回。共に景気回復サイクルにあり、かつブッシュ政権が2005年に本国投資法(HIA)を通じレパトリ減税を行った時期です。当時はそれ以降、2度と60台を超えてきませんでした。ISM非製造業景況指数の60超えがピークアウトを示唆するのか、見極めが必要です。

(カバー写真:raymondclarkeimages/Flickr)

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