Germany′s Jamaica Coalition Talks Collapse, What Happens Next?
米国で上院が税制改革の成立に向け審議中ですが、造反者を2人に抑えなければならない共和党で反対意見が飛び出し、暗雲が垂れ込めています。そんな状況下、この方いわくワシントンD.C.で「最悪シナリオは、トランプ大統領が『国民に選ばれた大統領として税制改革を実現するため、再選を目指す』と2018年7月4日に宣言すること」なんていうブラックジョークが出回っているとか。しゃれにならないですよね〜。
そのトランプ氏の勝利や6月のBREXITをはじめ、2016年から「まさか」という言葉が出てくる出来事が頻発しますね。今年も暮れになって、メルケル独首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)、自由民主党(FDP)、緑の党の3党連立協議がFDPの反対で決裂する事態に至りました。”ジャマイカ連立(それぞれの党の旗の色がジャマイカ国旗の配色と同じであるため)”の可能性が打ち砕かれた後、メルケル氏は”暫定首相”の立場で、統治を続けるといいます。
総選挙後まもない9月29日、メルケル独首相は黄色い花の向こうに何を見ていたのか。
(出所:EU2017EE Estonian Presidency/Flickr)
金融市場は意外にも落ち着いた動きを示し、アジア市場で一時0.6%下落する程度にとどまっています。独DAXも、一時0.7%高に。9月の総選挙でドイツのための選択肢(AfD)の台頭を受けCDUが1949年以来の大敗を喫した後なだけに想定の範囲内だったのか、独の政局に反応薄です。
ユーロの堅調ぶりは、市場関係者にとって不思議ではないといいます。独7〜9月期実質GDP成長率が輸出を支えに前期比0.8%増と市場予想を超え、独10月Ifo景況感指数は116.7で過去最高、失業率は5.6%と東西ドイツ統一以来で最低とあって、ユーロ売り・ドイツ株売りを仕掛けづらいということでしょう。
さて、メルケル独首相は今後どうするのか。選択肢は3つ、考えられます。
1)少数与党政権の発足
2)社会民主党(SPD)との大連立の発足
3)総選挙
CDU・CSUが9月の総選挙で獲得した議席数は709議席中で246議席にとどまり、円滑な政権運営が行えるはずもなく、1)の可能性は極めて低い。また、大連立も9月の総選挙後に他ならぬSPDがそれまでの大連立を解消し野党に転じると表明したため、実現するとは到底考えられず。そうなれば、やはり総選挙が有力視されます。
移民問題が仇となったメルケル政権は、12年に及ぶ長い歴史に終止符を打つのか。20日にシュタインマイヤー大統領と会談する予定のメルケル独首相は、総選挙を求めるのか。少なくともドイツはクリスマスにかけ、もうひとつの「まさか」をプレゼントしてくれそうです。
(カバー写真:Tim Joki/Flickr)
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