36109476904_a7c67f924d_z

NFIIB中小企業楽観度は34年ぶり高水準、大企業CEOも2018年を楽観視

by • December 13, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1788

Both Small Business And Blue Chip Employers Expect Bright Outlook For 2018.

米11月NFIB中小企業楽観度指数は107.5となり、市場予想の104を上回った。前月の103.8を超え、1983年9月以来の水準へ上振れする快挙を達成。過去最高値を更新し続ける米株高、3年ぶりに2期連続の3%成長を遂げた米経済、税制改革実現への期待感が反映されたようだ。なお同指数は、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表する労働市場情勢指数(LMCI)に含まれる。

発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、結果を受け「過去44年間にわたるデータのうち2番目の高水準を果たした」と評価する。項目ごとをみても「米経済の加速を見込む内容で、10~12月期は4%成長となりうる」と結んだ。

内訳をみると、13項目中プラス圏にのせた項目は2ヵ月連続で10項目となった。今回最も多くの回答を集めたのは「経済がより良くなる」、2番目に「売上の拡大を予想」が入り、「事業拡大に良いタイミング」も賃金動向を超える上昇となった。好景気への期待感の強まりを表す。10月にトップだった「求人件数」は3番目に下がったとはいえ、高水準を維持。全体的に前月を上回る数字が目立ち、マイナス項目も3つ全て下げ幅を縮小した。以下は、項目ごとの変化

「経済がより良くなる」48%、1月以来の高水準>前月は32%、6ヵ月平均は36%
「売上の拡大を予想」34%>前月は21%、6ヵ月平均は23%
「求人件数」30%<前月は35%、6ヵ月平均は32%
「事業拡大に良いタイミング」27%>前月は23%>、6ヵ月平均は23%
「賃金」27%=前月は27%、6ヵ月平均は26%

「設備投資を拡大した」26%<前月は27%、6ヵ月平均は28%
「採用見通し」24%、統計開始以来で最高>前月は18%、6ヵ月平均は19%
「賃上げ見通し」17%>前月は21%、6ヵ月平均は18%
「販売価格の引き上げ」10%>前月は8%、6ヵ月平均は7%
「在庫を増加させる」6%>前月は4%、6ヵ月平均は5%

「在庫満足度」−2%>前月は−5%、6ヵ月平均は−2%
「信用状況が緩和する」−4%>前月は−5%、6ヵ月平均は−4%
「黒字トレンドにある」−12%>前月は−14%、6ヵ月平均は−11%

NFIB、大統領選後のレンジを超え1983年以来の水準へ急伸。

nfib
ISMは11月に低下も、NFIBは絶好調。後者はハリケーンを受けた変動が限定的で、税制改革法案の成立見通しを素直に好感か。

nfib2
(作成:My Big Apple NY)

▽米10~12月期CEO景況感、約5年ぶりの高水準を達成

主要企業経営者団体であるビジネス・ラウンドテーブルが5日公表した10~12月期の最高経営責任者(CEO)景況感指数は96.8となり、2012年1~3月期以来の高水準を果たした。

ceo
(作成;My Big Apple NY)

設備投資見通しは92.7と、2011年4~6月期以来の高水準。雇用見通しは75.7と前月の80.2から低下したが、約5年ぶりの高水準近くを保った。

ビジネス・ラウンドテーブルの会長を務めるJPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは、結果を受けて「米経済は力強く、経営者は経済成長への自信を深め、特に設備投資見通しに表れている」と振り返る。高水準にある景況感が維持できるかは、「政策当局者次第」と指摘。税制改革の成立に向け動く米議会に対し「米企業が世界で競争力を高め得る、公正な成長重視の税制改革の実現が必須である」との認識を表明した。

ビジネス・ラウンドテーブルのジョシュア・ボルトンCEO兼社長(ブッシュ息子政権でOMB局長、大統領首席補佐官を歴任)は、「仕入れコストと規制の緩和が経済への信頼感に寄与し続けている」と説明する。その上で、経済のモメンタム形成には賢明な規制への取り組みと「年内に成長重視の税制改革の成立」が必要と強調した。

――上下院はそれぞれの税制改革法案を可決し、両院協議会が一本化案を策定中。報道で漏れ伝わるところでは法人税率を20%から21%へ修正される案、所得税の最高税率も39.6%あるいは38.5%から37%へ引き下げる案が浮上しています。その他、ランド・ポール上院議員は財政赤字拡大につながる税制改革に反対すると発言。オバマケア代替案の否決に追い込んだ1人であるコリンズ上院議員も、州税・地方税控除撤廃に固定資産税を適用外とする案が盛り込まれるか不透明ななか「まだ支持できない」と述べ、一枚岩とは言えず。しかもアラバマ州上院議員補欠選挙で共和党のムーア候補が敗北し、共和党議席数が52から51へ減るなか、造反者は1人まで(2人で否決)という厳しい環境です。これで税制改革法案成立に向け、危機感を持って共和党議員が対応するのか注目です。

(カバー写真:Amtec Staffing/Flickr)

Comments

comments

Pin It

Related Posts

Comments are closed.