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米12月NFIB中小企業楽観度は小幅鈍化も、2017年平均で過去最高

by • January 10, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off1746

Small Business Sentiment Edges Down At End Of Strongest Year.

米12月NFIB中小企業楽観度指数は104.9となり、市場予想の107.8を下回った。1983年9月以来の水準へ上振れした前月の107.5にも届かず。税制改革法案が成立し米株高が続くものの、小幅鈍化したかたちだ。ただし、2017年平均は104.8と統計開始以来で最高を遂げた。なお同指数は、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表する労働市場情勢指数(LMCI)に含まれる。

発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、2017年全体の結果を受け「2016年(の米大統領選後)にダムが決壊したかのように、経済のエンジンが勢いを大きく取り戻した」と振り返る。その背景に、トランプ政権の税制改革を挙げ「中小企業は、待ち望んだ政策の後ろ盾を得た」と評価した。

内訳をみると、13項目中プラス圏にのせた項目は10~11月の10項目を経て、9項目へ減った。今回、マイナスに転じた項目は「在庫を増加させる」。その他、プラスに乗せた項目で低下したなかでは「経済がより良くなる」が9ポイント落ち込み、「売上の拡大を予想」も6ポイント、「雇用を増加させる」も4ポイントそれぞれ低下した。「売上の拡大を予想」をめぐっては、「求人件数」に再び抜かれ2番目から3番目の高水準へ転落している。一方で「設備投資を拡大した」、「賃上げ見通し」はそれぞれ前月を上回った。以下は、項目ごとの変化。

「経済がより良くなる」37%<前月は48%、1月以来の高水準、6ヵ月平均は37%
「求人件数」31%>前月は30%%、6ヵ月平均は32%
「売上の拡大を予想」28%<前月は34%、6ヵ月平均は25%
「設備投資を拡大した」27%>前月は26%、6ヵ月平均は28%
「事業拡大に良いタイミング」27%=前月は27%、6ヵ月平均は24%

「賃金」27%=前月は27%、6ヵ月平均は27%
「賃上げ見通し」23%>前月は17%、6ヵ月平均は18%
「採用見通し」20%<前月は24%、統計開始以来で最高、6ヵ月平均は20%
「販売価格の引き上げ」8%<前月は10%、6ヵ月平均は8%

「在庫を増加させる」−1%<前月は7%、6ヵ月平均は4%
「在庫満足度」−2%=前月は−2%、6ヵ月平均は−2%
「信用状況が緩和する」−4%=前月は−4%、6ヵ月平均は−4%
「黒字トレンドにある」−15%<前月は−12%、6ヵ月平均は−12%

NFIB、1983年以来の高水準から小幅鈍化。

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12月はISM製造業景況指数が前月を上回るも、ISM非製造業景況指数とNFIBは前月以下。

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(作成:My Big Apple NY)

――米連邦公開市場委員会(FOMC)が2017年12月に公表した2018年成長率見通しで従来の2.1%増から2.5%増へ上方修正したものの、景気回復サイクルで最高を記録した2015年の2.9%増に届かない見通しです。税制改革法案成立後の数字としては力強さに欠ける気がするのは、弊職だけでしょうか。NFIB中小企業楽観度指数をはじめ、ISM製造業景況指数やISM非製造業景況指数も直近で最高を抜けられなかった一方で、インフレ動向には留意したいところ。原油先物が約3年ぶりの高値をつけロンドン亜鉛価格も2007年以来の高水準を遂げるなど、原材料価格が上振れしつつあるため、利鞘縮小に伴うセンチメントの押し下げ懸念が燻ります。

(カバー写真:ThoroughlyReviewed/Flickr)

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