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12月の新築と中古住宅販売件数、11月の大幅増から減少に反転

by • January 26, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off1921

Both Existing And New Home Sales Decrease In December.

全米リアルター協会(NAR)が発表した米12月中古住宅販売件数は年率557万件と、市場予想の570万件に届かなかった。2007年2月以来の高水準となった前月の578万件(581万件から下方修正)を3.6%下回る。2017年11月まではハリケーンの直撃を経て、買い替え需要を一因に3ヵ月連続で増加していた。12月の販売件数は前年比では1.1%増となり、2ヵ月連続で増加した。

2017年通期の中古住宅販売件数は、前年比1.1%増の551万件だった。住宅市場バブルに沸いた2006年の648万に次ぐ高水準となる。

単月での内訳をみると、一戸建てが496万件と、前月の509万件(修正値)を2.6%下回った。ヘッドラインと同じく、4ヵ月ぶりに減少している。複合住宅は11.6%減の61万件と、3ヵ月ぶりに減少した。

4大地域別では、全て減少し前月の1地域から増えた。今回最も減少率が大きかったのは複合住宅が多い北東部で前月比7.5%減の74万件(4ヵ月ぶりに減少)、次いで中西部が6.3%減の133万件と5ヵ月ぶりに減少した。IT企業が集まる西部は2ヵ月連続で減少し、1.6%減の120万件。2017年8月末~同年9月初めにハリケーンの直撃を受けた地域が集まる南部は、1.7%減の230万件と、3ヵ月ぶりに減少した。

在庫件数は前月比11.4%減の148万件と、5ヵ月連続で減少した。前年比では31ヵ月連続で減少。販売が増加した一方で在庫が減少したため、在庫相当は前月の3.5ヵ月から3.2ヵ月と、過去最短を更新した。販売日数は前月に続き40日と、2017年9~10月の34日から延びた状態が続く。前年同月は52日となる。

中央価格は前年比で5.8%上昇の24.68万ドル。前月の伸びと同じく、雇用統計の平均時給の伸び率を大幅に上回る水準を保つ。中央価格の前月比では0.2%下落し、過去6ヵ月間で5回目の下落を示す。なお6月は26.33万ドルで過去最高だった。

買い手の内訳は、以下の通り。

・差し押さえ物件 4%>前月は3%、前年同月は3%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅) 1%=前月は1%、前年同月は1%
・新規購入者 32%>前月は29%と2015年9月以来で最低に並ぶ、前年同月は32%
・現金購入者 20%<前月は22%と直近で最高、前年同月は21%
・住居用ではなく投資向け 16%>前月は14%、前年同期は15%

中古住宅販売件数、一戸建てと複合そろって減少。
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(作成:My Big Apple NY)

発表元であるNARのローレンス・ユン主席エコノミストは、今回の結果を受け「住宅販売件数は年末にやや軟調を示したものの、何年にも及ぶ雇用の伸びが需要を刺激し、経済を大いに支えた」と振り返った。ただし「市場環境は、完璧ではない」とも指摘。新たに売り出される住宅は在庫不足のためにすぐに購入され、「全米の住宅価格から値ごろ感が薄れている」とまとめた。なお、NARによると2017年の新規住宅購入者の割合は34%(2016年は35%)、現金購入者は21%(2016年は23%)、投資家は15%(2016年は14%)だった。

▽米12月新築住宅販売件数、値上がりが響き約10年ぶりの水準から減少

米12月新築住宅販売件数は年率62.5万件と、市場予想の67.5件を超えた。2007 年10月以来の高水準を達成した前月の69.9万件(73.3万件から下方修正)を9.3%上回り、中古住宅販売と足並みをそろえ、大きく減少した。住宅価格が過去最高を更新した影響が色濃く現れたようだ。

4大地域別では、全地域で減少し11月と正反対の結果となった。今回は11月に大幅増加した地域で減少が目立ち、西部が9.5%減(前月から減少に反転)の19.0万件、南部は9.8%減(前月から減少に反転)の33.1万件となる。中西部も10.0%減(3ヵ月ぶりに減少)の4.1万件。北東部は2.4%減(4ヵ月ぶりに減少)の6.3万件となる。

新築住宅販売件数、景気後退以前の水準を回復。

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(作成:My Big Apple NY)

在庫総数は前月比1.4%増の29.5万件となり、過去10ヵ月間で9回目の増加を示した。在庫相当は販売件数が減少し在庫が増加したため、前月の5.9ヵ月から6.8ヵ月へ延びている。中央価格は33.547万ドルと前月の31.3.49万ドル(修正値)から上昇、過去最高を更新した。前年比では2.6%上昇、プラス圏を維持しつつ上昇率は直近で最低にとどまった。

――中古住宅販売件数は価格上昇を反映し、新規購入者の割合が2017年に35→34%へ低下しました。代わりに、投資家が14%→15%へ上昇。住宅価格の上昇率が5%を超え雇用統計の平均時給の2倍に及ぶなかで、新規購入者には手が出せない状況が続きます。新築住宅購入も値上がりペースこそ鈍化したとはいえ、住宅価格が過去最高を示すなかで、販売件数は減少しました。木材価格など原材料価格が高止まりし、建設労働者が確保しづらい環境が続くなかでは、住宅価格が下落するとは想定しづらい。価格と在庫不足が引き続き重石となり、住宅販売件数は2018年1~3月期に鈍化する可能性が強まってきました。

(カバー写真:Ruin Raider/Flickr)

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