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米12月雇用動態調査、求人数と採用者数が減少も離職者数が増加

by • February 7, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off3266

Job Openings, Hires, and Layoff Decrease In December.

米労働省が発表した米12月雇用動態調査(JOLTS)で求人数は581.1 万人と、市場予想の596.1万人に届かなかった。前月の597.8万人(587.9万人から下方修正)を2.8%下回る。なおハリケーン“ハービー”、“イルマ”等の直撃を経て、2017年9月は617.7万人(修正値)と過去3番目の高水準を示した。

新規採用人数は前月比1.9%減の548.8万人と、過去5ヵ月間で4回目の減少を示した。米12月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)が鈍化した動きと、整合的だ。10月は559.2万人と、2001年3月以来で最大を示していた。

離職者数は前月比0.5%増の523.8万人と、こちらも過去6ヵ月間で3回目の増加となった。定年や自己都合による退職者は3.1%増の325.9万人解雇者数も4.6%減の164.5万人と過去6ヵ月間で5回目の減少を示した。

求人率は3.8%と、前月の3.9%から低下した。民間が前月の4.2%から4.1%へ低下したためで、政府は前月の2.2%から2.3%へ上昇した。

就業者に対する新規採用率は2ヵ月連続で3.7%と、2016年2月以来の高水準だった10月の3.8%を下回った。民間が4.1%と前月の十変わらなかったものの、政府が1.4%から1.2%へ低下した。

自発的および引退、解雇などを含めた離職率は10月まで2ヵ月連続で3.6%を経て、3.5%へ低下した。民間が前月に続き3.9%だったが、政府は前月の1.5%から1.6%へ上昇した。自発的離職率は前月の2.1%から2.2%へ上昇。解雇率は前月の1.2%から1.1%へ低下し、2000年12月に統計が開始してからの最低に並んだ。

自発的離職者数が増加した一方で解雇者数が減少し、労働市場は堅調そのもの。

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(作成:My Big Apple NY)

――以上の結果を踏まえ、今となっては懐かしいイエレン・ダッシュボードをおさらいしてみましょう。達成項目は9項目中、10~11月の6項目から5項目へ減少した。今回、採用率が低下している。以下は詳細で、()内の最悪時点とは、金融危機以降での最も弱い数字です。

1)求人率—○
2009年7月(最悪時点) 1.6%2004-07年平均 3.0%
現時点 3.8%

2)解雇率—○
2009年4月(最悪時点)2.0%
2004-07年平均 1.4%
現時点 1.1%

3)自発的離職率 ○
2010年2月(最悪時点) 1.3%
2004-07年平均 2.1%
現時点 2.2%

4)採用率—×
2009年6月(最悪時点) 2.8%
2004-07年平均 3.8%
現時時点 3.7%

5)非農業部門就労者数—○
2009年3月までの3ヵ月平均(最悪時点) 82.6万人減
2004-07年の3ヵ月平均 16.2万人増
現時点の3ヵ月平均 19.2万人増

6)失業率—○
2009年10月(最悪時点) 10%
2004-07年平均 5.0%
現時点 4.1%

7)不完全失業率—×
2010年4月(最悪時点) 17.2%
2004-07年平均 8.8%
現時点 8.2%

8)長期失業者の割合—×
2010年4月(最悪時点) 45.3%
2004-07年平均 19.1%
現時点 21.5%

9)労働参加率—×
2014年9月(最悪時点) 62.7%
2004-07年平均 66.1%
現時点 62.7%

求人数と採用数が減少したとはいえ、有効求人倍率は高水準。

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(作成:My Big Apple NY)

有効求人倍率の高止まりを踏まえると、賃上げペースが加速してもおかしくありません。米1月雇用統計では平均時給の伸びが2009年以来の高水準となったわけですが、悪天候の影響が及んだ可能性は否定できず。賃上げ動向を確認するには、まだもう少し時間が掛かりそうです。

(カバー写真:COD Newsroom/Flickr)

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