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米3月消費者信頼感指数は高止まりも、購入見通しは軒並み低下

by • March 28, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off3502

Consumer Confidence Hovers Around 18-Year High With Lower Buying Intentions.

米3月消費者信頼感指数は127.7となり、市場予想の131を下回った。2000年11月以来の水準へ上振れした前月の130.0(130.8から下方修正)に届かなかったものの、高水準を保つ。内訳をみると、現況指数が159.9と、2001年2月以降で最高となった前月の161.2(162.4から下方修正)から鈍化見通し指数も106.2と、2001年5月以来の高水準だった前月の109.2(109.7から下方修正)を下回った

発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ経済指標ディレクターは、結果を受け「18年ぶりの高水準から3月が鈍化した背景は、ビジネス環境と個人にある」と振り返った。特に個人は「株式市場を含め、見通しが全般的に小幅低下している」と指摘。もっとも、消費者信頼感指数自体は高水準を保つため「数ヵ月先も一段の成長が期待できる」と楽観的に結んだ。

消費者信頼感指数、2000年11月以来で最高から低下。

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(作成: My Big Apple NY)

現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは25.0と、前月の24.0(24.7から下方修正)を超え、2001年4月以来で最高を記録した。以下は、結果の詳細。

ビジネス環境については、「良い」と「悪い」が上昇
「良い」37.9%→前月の36.5%から上昇、前年同月は32.4%
「悪い」13.4%→前月の11.3%から低下、前年同月は13.1%

労働市場については「豊富」が上昇し「困難」が低下、DIは21ヵ月連続でプラスを示す
「職が豊富」39.4%→前月の37.2%から上昇、前年同月は28.3%
「あまり職が豊富ではない」45.2%→前月の45.8%から低下、前年同月は49.2%
「職探しが困難」14.9%→前月の15.1%から低下、前年同月は19.0%

6ヵ月先のビジネス環境への見方は「良くなる」が上昇し、「悪化する」が低下
「良くなる」23.0%→前月の25.0%から上昇、前年同月は26.9%
「悪化する」9.8%→前月の9.4%から低下、前年同月は8.5%
「変わらず」67.2%→前月の65.6%から低下、前年同月は64.6%

6ヵ月先の労働市場への見方は「増加」が低下し「減少」が上昇、ただ「増加」が18ヵ月連続で「減少」を上回る
「雇用が増加する」19.1%→前月の22.4%から低下、前年同月は23.8%
「雇用が減少する」12.6%→前月の12.4%から上昇、前年同月は12.7%
「変わらず」68.3%→前月の65.2%から低下、前年同月は63.5%

6ヵ月先の所得への見方は「増加」と「減少」が低下
「増加する」22.0%→前月の23.5%から低下、前年同月は22.5%
「減少する」7.2%→前月の8.6%から低下、前年同月は7.5%
「変わらず」70.8%→前月の67.9%から上昇、前年同月は70.0%

購入見通しは、全てが低下した。自動車は12.1%と、6ヵ月ぶりの低水準だった。住宅は5.5%と、2015年11月以来で最低に。家電も49.6%と5ヵ月ぶりに50%を割り込んだ。

――米3月消費者信頼感指数はほぼ市場予想通りで、センチメントは2000年以来で最高近くを保ちます。所得層でみると、中低所得者層(1.5万ドル以下から3.5~4.99万ドル)が全般的に上昇。特に1.5万から3.49万ドル、2.5万~3.49万ドル、3.5万~4.99万ドルの伸びは顕著で、恐らく所得税減税を反映したのでしょう。逆に高所得者層は、米株安や米金利上昇一服による資産効果の低下がセンチメントの上昇を抑えたとみられます。

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(作成:My Big Apple NY)

ゴールドマン・サックスによれば、2017年の成長率のうち0.6%ポイントが資産効果が寄与しただけに、足元の米株安は懸念材料。センチメントの高止まりの割に購入見通しが低下するなど、個人消費には鈍化のサインが点灯しており、このままでは個人消費が2017年の2.7%増を下回ってもおかしくありません。

(カバー写真:Susan Sermoneta/Flickr)

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