2662264104_332481777a_o

米7月消費者信頼感は小幅改善も、見通し指数は2ヵ月連続で低下

by • August 1, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off1642

Consumer Confidence Edges Up But Expectation Gauge Slips.

米7月消費者信頼感指数、米6月S&P/ケースシラー住宅価格指数をおさらいしていきます。

米7月消費者信頼感指数は127.4となり、市場予想の126.0を上回った。前月の127.1(126.4から上方修正)も超え、2000年11月以来の水準へ上振れした2月の130.0を視野に入れた水準を保つ。期間中、トランプ政権は7月6日から対中知財制裁関税を発動したが、米6月雇用統計が好調だったようにセンチメントへの影響は限定的だった。内訳をみると、現況指数が165.9と、2001年3月以降で最高を更新。見通し指数は101.7と、前月の104.0(修正値)を下回り年初からの上昇を打ち消した。

発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ経済指標ディレクターは、結果を受け「現況指数の強さは消費者のセンチメント改善を示すが、見通し指数が2ヵ月連続で低下したように消費者は成長加速を予想していない」と分析した。

消費者信頼感指数、2000年11月以来の高水準近くを維持。

cb
(作成: My Big Apple NY)

現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは28.1と、2001年3月以来で最高となる。以下は、結果の詳細。

ビジネス環境については、「良い」が上昇し「悪い」が低下
「良い」38.0%→前月の37.2%から上昇、前年同月は32.5%
「悪い」10.1%→前月の11.5%から低下、前年同月は13.5%

労働市場については「豊富」が上昇し、「困難」と「あまり豊富でない」が低下、「豊富」から「あまり豊富でない」を差し引いたDIは直近で久々にプラスを回復

「職が豊富」43.1%→前月の40.4%から上昇、前年同月は33.2%
「あまり職が豊富ではない」41.9%→前月の44.5%から低下、前年同月は48.1%
「職探しが困難」15.0%→前月の15.1%から低下、前年同月は18.7%

6ヵ月先のビジネス環境への見方は「良くなる」と「悪化する」が上昇
「良くなる」23.1%→前月の20.7%から上昇、前年同月は22.4%
「悪化する」10.8%→前月の9.3%から上昇、前年同月は8.4%
「変わらず」66.1%→前月の68.9%から低下、前年同月は69.9%

6ヵ月先の労働市場への見方は「増加」と「減少」が上昇、「増加」は21ヵ月連続で「減少」を上回る

「雇用が増加する」22.5%→前月の20.0%から上昇、前年同月は18.5%
「雇用が減少する」15.7%→前月の13.1%から上昇、前年同月は13.2%
「変わらず」61.8%→前月の66.9%から低下、前年同月は68.3%

6ヵ月先の所得への見方は「増加」が低下し「減少」が上昇
「増加する」20.8%→前月の19.7%から低下、前年同月は20.0%
「減少する」9.2%→前月の7.9%から上昇、前年同月は9.5%
「変わらず」70.0%→前月の72.4%から上昇、前年同月は70.5%

購入見通しは、自動車を除き低下した。自動車のみ11.2%と、2015年10月以来の低水準だった前月の10.9%から改善している。一方で、住宅は5.1%と2016年7月以来の水準へ低下。家電も46.5%と、2015年1月以来の水準に落ち込んだ。

購入見通しは、住宅と家電で低下。
cb1
(作成:My Big Apple NY)

――7月ベージュブックで企業によるトランプ政権の通商政策への懸念が強まりを示したように、米7月消費者信頼感指数のうち見通し指数が2ヵ月連続で低下しました。購入見通しもつれて、2ヵ月連続で翳りをみせています。米4~6月期実質GDP成長率・速報値で個人消費は大幅改善したものの、減税効果が一巡し、さらに物価と金利の上昇が確認されれば、個人消費が鈍化する余地を残します。

▽米5月S&P/ケースシラー住宅価格指数、20都市で前年比6%台を維持

米5月S&P/ケースシラー住宅価格指数(季節調整前)は前年比4.66%上昇の202.95となり、前月の200.82(修正値)を抜け過去最高を更新した。20都市別の季節調整前では6.51%上昇の211.94となり、市場予想の6.40%を上回った。前月の6.69%(6.56%から上方修正)に届かなかったとはいえ、高水準を維持している。季節調整済み・20都市別の前月比は0.20%の上昇と、市場予想と一致。前月の0.16%(0.20%から下方修正)は上回った

20都市別での季節調整済みベース・前月比でトップはワシントン州シアトルで1.37%の上昇、2位はアリゾナ州フェニックスで0.85%の上昇、3位はネバダ州ラスベガスで0.64%の上昇を示した。ワースト1位はNY州NYで0.28%の低下、続いてミシガン州デトロイトで0.19%の低下、ワシントンD.C.で0.04%の上昇となった。

(カバー写真:Olga Gnatkova/Flickr)

Comments

comments

Pin It

Related Posts

Comments are closed.