ISM Non-Manufacturing Index Declines To 1-Year Low.
7月のISM非製造業景況指数と、IHSマークイット・サービス業PMI・確報値をおさらいしていきます。
米7月ISM非製造業景況指数は55.7となり、市場予想の58.6を下回った。前月の59.1を下回り、2017年8月以来の低水準。2005年8月以来の高水準だった2月(59.9)から、後退した。
ISMは結果を受け「追加関税と入荷状況が懸念材料で、サービス部門では成長鈍化がみられている」と振り返った。ただし、経済や業績の見通しは「引き続きポジティブ」だったという。業種別では、18業種中16業種が拡大を報告した。縮小を報告した業種は教育サービスと専門・科学・技術サービスの2業種だった。
内訳をみると、ビジネス活動が2005年8月以来の高水準から鈍化したほか、新規受注や新規輸出受注などが前月を下回った。その一方で、米7月雇用統計と歩調を合わせ、雇用は約1年ぶりの水準へ低下した6月から改善。仕入れ価格は、再び上向きを示す。詳細は、以下の通り。
・ビジネス活動 56.5と1年ぶりの低水準<前月は63.9と2005年8月以来の高水準、6ヵ月平均は60.7
・新規受注 57.0<前月は60.2、6ヵ月平均は60.8
・雇用 56.1>前月は53.6、6ヵ月平均は54.8
・新規輸出受注 58.0<前月は60.5、6ヵ月平均は59.2
・在庫変化 53.5=前月は53.5、6ヵ月平均は54.8
・仕入れ価格 63.4>前月は60.7、6ヵ月平均は62.1
▽米7月IHSマークイット・サービス業確報値、約3年ぶりの高水準近くを維持
米7月IHSマークイット・サービス業PMI確報値は56.0と、市場予想と速報値の56.2を下回った。6月の56.5、そして2015年4月以来の高水準を示した5月の56.8から、徐々に鈍化し、3ヵ月ぶりの低水準。内訳をみると、ビジネス活動は約3年ぶりの高水準だったが、新規受注は6ヵ月ぶりの低水準。受注残も2017年4月以来の50割れを迎えた。総合PMIは55.7と、速報値の55.9を下回った。
ISM非製造業景況指数は2015年4月以降で2番目の高水準、マークイット・サービス業PMIも高止まり。ただ雇用はまちまち。
IHSマークイットのティム・ムーア・アソシエート・ディレクターは、結果を受け「ビジネス見通しは6ヵ月ぶりの低水準となり、サービス部門の企業は貿易摩擦に伴うコスト上昇への懸念を示した」と振り返る。また「新規ビジネス指数は4~6月期にみられた力強いペースを維持できそうにない」と指摘。賃上げや燃料コストなど負担増大を強いられる状況では、消費者に価格を転嫁せざるを得ず、その証左として「サービス部門の販売価格は2014年9月以来の水準へ上振れした」。米6月コアPCEは2%割れを維持したものの、物価上昇圧力は着実に高まりつつあるようだ。
(カバー写真:andre lanza/Flickr)
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