Heatwave And Summer Holiday Boost Retail Sales In July.
米7月小売売上高と米4～6月期労働生産性・速報値をおさらいしていきます。
米7月小売売上高は前月比0.5％増と、市場予想の0.1％増を上回った。前月の0.2％増（0.5％増から下方修正）も超え、6ヵ月連続で増加している。自動車を除いた場合は0.6％増と、市場予想の0.3％増だけでなく前月の0.2％増（0.4％増から下方修正）も上回った。これで、7ヵ月連続で増加している。国内総生産（GDP）の個人消費のうち約4分の1を占めるコントロール小売売上高（自動車、燃料、建築材、外食などを除く）は0.5％増と前月の0.1％減（修正値）を上回り、2016年3月からの増加の流れを受け継いだ。
（作成：My Big Apple NY）
内訳をみると、主要13カテゴリー中8カテゴリーで増加し、前回と変わらず。今回は猛暑を受けて服飾が好調だったほか、外食が前月比で1％超えの伸びを示した。一方で引き続きスポーツ用品と雑貨が前月に続きマイナスだったほか、家具やヘルスケアは減少に転じた。項目別の詳細は、以下の通り。
（プラス項目）
・服飾→1.3％増＞前月は1.6％減、6ヵ月平均は0.8％増
・外食→1.3％増＜前月は1.6％増、6ヵ月平均は1.2％増
・ガソリン・スタンド→0.8％増＞前月は0.3％増、6ヵ月平均は0.8％増
・無店舗（オンライン含む）→0.8％増＞前月は0.7％増、6ヵ月平均は0.8％増
・一般小売→0.7％増＞前月は0.7％減、6ヵ月平均は0.8％増
（*百貨店は1.2％増＞前月は2.1％減、6ヵ月平均は0.2％増）
・食品/飲料→0.6％増＞前月は±0％、6ヵ月平均は0.3％増
・自動車/部品→0.2％増＞前月は0.1％増、6ヵ月平均は0.3％増
・電気製品→0.1％増＜前月0.4％増、6ヵ月平均は0.2％増
・建築材/園芸→±0％＜前月は0.1％増、6ヵ月平均は0.3％増
（マイナス項目）
・雑貨→0.3％減＞前月は1.5％減、6ヵ月平均は0.4％減
・ヘルスケア→0.4％減＜前月は1.1％増、6ヵ月平均は0.6％増
・家具→0.5％減＜前月は0.3％減、6ヵ月平均は0.3％増
・スポーツ用品/書籍/趣味→1.7％減、4ヵ月連続で減少＞前月は2.1％減、6ヵ月平均は0.1％減
――NYで華氏100度、つまりは摂氏40度近い猛暑を受けて服飾が増加したほか、外出したくないアメリカ人の需要も巻き込んで無店舗も好調でした。夏休み効果も重なり、外食の売上を押し上げたことでしょう。内需の力強さをみると、中小型株指数のラッセル2000が過去最高値付近で踏みとどまるのも、むべなるかな。あとは、夏場の好調な消費の勢いが秋に反動で現れないかが、試されそうです。
▽米4～6月期労働生産性・速報値、約3年ぶりの高い伸びを達成
米4～6月期労働生産性・速報値は前期比2.9％上昇し、市場予想の2.4％を上回った。前期の0.3％を含め2期連続で上昇しただけでなく、2015年1～3月期以来の高水準となる。生産が力強い伸びを達成しつつ、単位労働コストは0.9％の低下と4期ぶりのマイナス。労働時間と賃金が鈍化し生産性が上向いた半面、単位労働コストを押し下げた。詳細は、以下の通り。
・生産 4.8％の上昇、10期連続で上昇＞前期は2.6％の上昇
・労働時間 1.9％の上昇、10期連続で上昇＞前期は2.3％の上昇
・時間当たり賃金 2.0％の上昇、10期連続で上昇＜前期は3.7％の上昇
・実質賃金 0.3％の上昇、2期連続で上昇＞前期は0.2％の上昇
・単位労働コスト（一定量を生産するために必要な労働経費を示す） 0.9％の低下、4期ぶりの低下＜前期は3.4％の上昇
前年比での労働生産性は1.3％上昇、3期ぶりの高い伸びとなる。前期の1.0％と合わせ7期連続のプラスを示した。単位労働コストは1.9％上昇、2016年10～12月期以来の低い伸びにとどまった。
（作成：My Big Apple NY）
――アトランタ地区連銀は8月15日までの経済指標を受け、米7～9月期実質GDP成長率見通しを従来の4.3％増で据え置きました。仮にこの成長率が実現すれば、2期連続で夢の4％成長を達成する見通し。エコノミストの予想平均も3％付近と高水準にあり、米国の専門家の見立てでは少なくとも秋まで経済は快進撃を続けると予想されています。
（カバー写真：Patrick/Flickr）
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