Consumer Confidence Hits Highest In 18 Years Despite Trade Concerns.
米8月消費者信頼感指数、米6月S&P/ケースシラー住宅価格指数をおさらいしていきます。
米8月消費者信頼感指数は133.4となり、市場予想の126.6を上回った。前月の127.9(127.4から上方修正)も超え、2000年10月以来の高水準を達成。内訳をみると、現況指数が172.2と、前月の166.1(165.9から上方修正)を超え、2000年12月以降で最高に。見通し指数も107.6と、前月の102.4(101.7から上方修正)から上振れし、2000年10月以来の高水準を遂げた。期間中、トランプ政権は自動車関税や、中国に対する2,000億ドルの追加制裁関税措置をめぐる公聴会を開催した。しかし、米中通商協議の再開やメキシコとのNAFTA再交渉の前進(8月27日に大筋合意)などを受け株価が最高値を視野に入れ(8月27日にS&P500とナスダックは終値で最高値更新)、センチメントも舞い上がった。
発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ経済指標ディレクターは、結果を受け「見通し指数は6~7月の低下を経て上昇に転じ、下半期の米経済も堅調に推移する見通し」と分析した。
消費者信頼感指数、2000年10月以降で最高。
現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは30.0と、前月の28.0を超え2001年3月以来で最高となる。以下は、結果の詳細。
ビジネス環境については、「良い」が上昇し「悪い」が低下
「良い」40.3%→前月の38.1%から上昇、前年同月は34.5%
「悪い」9.1%→前月の10.3%から低下、前年同月は13.2%
「普通」50.6%→前月の51.6%から低下、前年同月は52.3%
労働市場については「豊富」が上昇し、「困難」と「あまり豊富でない」が低下、「豊富」から「あまり豊富でない」を差し引いたDIは直近で久々にプラスを回復
「職が豊富」42.7%→前月の42.8%から低下、前年同月は34.4%
「あまり職が豊富ではない」44.6%→前月の442.4%から上昇、前年同月は47.2%
「職探しが困難」12.7%→前月の14.8%から低下、前年同月は18.4%
6ヵ月先のビジネス環境への見方は「良くなる」と「悪化する」が上昇
「良くなる」24.3%→前月の22.6%から上昇、前年同月は16.8%
「悪化する」10.5%→前月の10.3%から上昇、前年同月は8.0%
「変わらず」65.2%→前月の66.8%から低下、前年同月は72.2%
6ヵ月先の労働市場への見方は「増加」と「減少」が低下、「増加」は22ヵ月連続で「減少」を上回る
「雇用が増加する」21.7%→前月の22.6%から低下、前年同月は16.8%
「雇用が減少する」14.1%→前月の15.2%から低下、前年同月は13.2%
「変わらず」64.2%→前月の62.2%から低下、前年同月は70.0%
6ヵ月先の所得への見方は「増加」が上昇し「減少」が低下
「増加する」25.5%→前月の20.4%から上昇、前年同月は19.9%
「減少する」7.0%→前月の9.4%から低下、前年同月は8.4%
「変わらず」67.5%→前月の70.2%から上昇、前年同月は71.7%
購入見通しは、全て上昇した。自動車は12.3%と前月の11.1%を超え、2015年10月以来の低水準だった6月の10.9%から改善を続けている。住宅は6.0%と、2016年7月以来の水準へ低下した前月の5.1%から上昇。家電も53.1%と、2015年1月以来の水準に落ち込んだ前月の46.5%を上回った。
購入見通しは、3項目そろって改善。
――7月ベージュブックや8月FOMC議事要旨で企業、FOMC参加者のトランプ政権の通商政策への懸念が強まったにも関わらず、米8月消費者信頼感指数は約18年ぶりの高水準という快挙を成し遂げました。購入見通しも全て上向き、文句なしの好結果です。パウエルFRB議長がジャクソンホール会合で「経済は力強い」と発言した通り、個人消費が牽引し2018年の成長率は3%超えの期待が強まります。
▽米6月S&P/ケースシラー住宅価格指数、20都市は前月比で2年ぶり低水準
米6月S&P/ケースシラー住宅価格指数(季節調整前)は前年同月比6.24%上昇の204.48となり、前月の202.91(修正値)を抜け過去最高を更新した。20都市別の季節調整前では6.31%上昇の213.07となり、市場予想の6.40%に届かず。前月の6.54%(6.51%から上方修正)も下回り、年初来で最低の伸びにとどまった。季節調整済み・20都市別の前月比は0.11%の上昇と、市場予想の0.20%を下回った。前月の0.21%(0.20%から上方修正)にも及ばず、2年ぶりの低水準となる。
20都市別での季節調整済みベース・前月比でトップは5月に3位だったネバダ州ラスベガスで1.11%の上昇、2位はフロリダ州タンパで0.58%の上昇、3位はフロリダ州タンパで0.65%の上昇を示した。ワースト1位は5月に続きNY州NYで0.68%の低下、続いて前月と変わらずミシガン州デトロイトで0.07%の低下、3位はイリノイ州シカゴが入りで0.05%低下した。20都市中で3都市がマイナスとなったのは少なくとも年初来で初めてとなる。
(カバー写真:Epic Fireworks/Flickr)
Comments
米7月耐久財受注、コア資本財は好調な設備投資の調べ Next Post:
アメリカ人の債務額は、サステナブルか否か?