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7月の中古住宅販売件数は4ヵ月連続で減少、新築も不振続く

by • August 29, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off1929

Both Existing And New Home Sales Keeps Falling In The Summer.

全米リアルター協会(NAR)が発表した米7月中古住宅販売件数は年率534万件と、市場予想の540万件を下回った。前月の538万件から0.7%減少。4ヵ月連続で減少した結果、2016年2月以来の低水準を示す。前年比では1.5%減と、5ヵ月連続でマイナスだった。価格が高止まりするなか、新規購入者をはじめ需要を抑えたとみられる。

内訳をみると一戸建てが475万件と、前月の476万件を0.6%下回った。4ヵ月連続で減少した結果、2016年7月以来の低水準となる。複合住宅は4.8%減の59万件となり、5ヵ月ぶりの水準だった。

4大地域別では、1地域のみ増加し、前月の2地域から減少した。今回は西部が4.4%増の119万件と、4ヵ月ぶりの水準を回復している。一方で、複合住宅の多い北東部は8.3%減の66万件と、3ヵ月ぶりに減少。中西部は1.6%減の125万件と前月から減少に反転した。住宅市場の規模が最大の南部は0.4%減の224万件と、5ヵ月連続で減少した。

在庫件数は前月比0.5%減の192万件と、7ヵ月ぶりに減少した。前年比では横ばい。在庫件数は2016年12月に165万件と1999年以来での最低を更新していたが、中古住宅での需給ひっ迫の厳しさが緩和しつつある。ただ、需要のペースに追いついていない可能性を残す。販売の減少率が在庫を上回ったため、在庫相当は前月の4.3ヵ月と変わらず、1年ぶりの水準を保つ。

中央価格は、前年比で4.5%上昇の26.96万ドルだった。前月比では1.5%下落したため、過去最高の更新を2ヵ月で止めている。とはいえ、上昇率は米7月雇用統計で示された平均時給の上昇率を大幅に超えた水準を保った。販売日数は27日と、前月の26日から延びたものの、前年同月の30日以下となる。NARは、販売件数の55%が1ヵ月以内に買い手がついたと説明した。

買い手の内訳は、以下の通り。

・差し押さえ物件2%、統計を開始した2008年10月以来で最低=前月は2%、前年同月は4%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅)1%=前月は1%、前年同月は1%
・新規購入者32%>前月は31%、前年同月は33%
・現金購入者20%<前月は22%、前年同月は19%
・住居用ではなく投資向け13%=前月は13%、前年同期は13%

中古住宅販売件数、一戸建てが減少し全体を押し下げ。

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(作成:MyBigAppleNY)

発表元のNARのローレンス・ユン米エコノミストは、今回の結果を受け「潜在顧客の多くが様子見を決め込んだ」と説明した。一方、引き続き売り出し物件は低水準にあり「新築住宅の建設も十分ではない」と指摘。住宅価格の高止まりが解消されない可能性を示唆した。

▽米7月新築住宅販売件数は2ヵ月連続で減少、中央価格は上昇に反転

米7月新築住宅販売件数は年率62.7万件と、市場予想の64.5万件に届かなかった。前月の63.8万件(63.1万件から上方修正)を1.7%下回り、2ヵ月連続で減少。2017年10月以来の低水準となる。在庫逼迫と価格高止まりを受け、中古住宅販売と歩調を合わせ減少。新築住宅在庫はゆるやかに改善しつつあるが、鉄鋼・アルミ関税発動で建設資材が値上がりし、建築業者の利鞘が圧迫されるなか、早急に価格が値下がりするようには見えない。

4大地域別では、前月に続き2地域で増加した。今回は西部が10.9%増(2ヵ月連続で増加)の17.3万件だったほか、中西部が9.9%増(3ヵ月ぶりに増加)の7.8万件となる。一方で、北東部は52.3%減(3ヵ月ぶりに減少)の2.1万件、南部は3.3%減(3ヵ月連続で減少)の35.5万件だった。

新築住宅販売件数、景気回復サイクルでの高水準をキープ。

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(作成:MyBigAppleNY)

在庫総数は、前月比2.0%増の30.9万件。販売件数が減少し在庫が増加したため、在庫相当は5.9ヵ月と、前月の5.7ヵ月から延び2015年9月以来で最長となった。

中央価格は32.87万ドルと、過去最高を更新した3月の33.54万ドル以来の高水準に。前年比では1.8%下落し3ヵ月連続で落ち込んだものの、前月比では6.0%上昇し4ヵ月ぶりにプラスへ転じた。

――在庫状況が改善しつつあるものの、住宅価格は中古・新築ともに上昇トレンドを維持しました。高級住宅建設大手トール・ブラザーズの決算内容と販売価格見通しの上方修正をみると、需要の高まりが感じられるものの、米8月NAHB住宅市場指数で明らかになった通り、必ずしも需要増の価格上昇とも言い切れない。建設資材のコストに合わせ上乗せしている可能性もあり、住宅保有率の改善は2018年に一服しそうな気配です。

(カバー写真:Eric Allix Rogers/Flickr)

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