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米8月住宅着工件数は複合が押し上げ改善、NAHB住宅市場は横ばい

by • September 21, 2018 • Finance, Latest NewsComments Off2265

Multifamily Housing Pushes Housing Starts Higher, But Market Index Stays 1-Year Low.

米8月住宅着工件数と米9月NAHB住宅市場指数をおさらいしていきます。

米8月住宅着工件数は年率128.2万件と、市場予想の123.8万件を上回った。前月の117.4万件(116.8万件から上方修正)を9.2%上回りつつ、2007年7月以来の高水準を遂げた1月の133.4万件以下が続く。

内訳をみると、一戸建てが前月比1.9%増の87.6万件と過去5ヵ月間で4回目の増加を示した。変動の大きい複合住宅は29.3%増の40.6万件と、3ヵ月ぶりに大幅増加している。

前年比では、住宅着工件数が9.4%増と3ヵ月ぶりにプラスに転じた。ただし一戸建ては0.3%減と、年初来で2回目のマイナスを示す。複合住宅は今回の急増を追い風に、38.1%増と3ヵ月ぶりに増加した。

住宅着工と建設許可件数、2007年以来の高水準を下回る推移を継続。

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(作成:My Big Apple NY)

4大地域別では2地域で増加し、前月のゼロから改善した。今回は、西部が19.1%増の31.8万件と前月の減少分をほぼ打ち消した。南部も6.5%増(2ヵ月連続で増加)の67.4万件、中西部も9.1%増(2ヵ月連続で増加)の19.1万件となる。一方で、北東部は±0%の9.9万件だった。

建設許可件数は122.9万件となり、市場予想の131.0万件を下回った。前月の130.3万件(131.1万件から下方修正)を5.7%下回る。内訳をみると、一戸建てが6.1%減の82.0万件と3ヵ月ぶりに減少したほか、複合住宅も4.9%減の40.9万件と、減少に転じた。

建設中件数は前月比0.8%増の113.1万件となり、2007年6月以来の高水準。一戸建てが0.2%減の51.9万件と減少に反転した半面、複合住宅は1.7%増の61.2万件と5ヵ月ぶりに増加した。

▽米9月NAHB住宅市場指数は年初来で最低に並ぶ、木材価格の高騰が重石

米9月NAHB住宅市場指数は67となり、前月と市場予想と一致した。ハリケーン「フローレンス」がノースカロライナ州などを直撃する前に、2017年9月以来の低水準を維持している。なお、1月は1999年7月以来の高水準を達成していた。引き続き、住宅市場の逼迫が価格上昇を促し潜在顧客の需要を抑え、且つ建設資材の価格高騰が住宅建設業者のセンチメントを押し下げたとみられる。地域別では、1地域のみで上昇。南部が72と、4ヵ月ぶりの高水準だった。西部は74と、少なくとも過去1年間で最低を保つ。一方で、北東部は2017年10月以来の分岐点である50を割り込み47だった。中西部は前月から5ポイントも低下しつつ、58となる。

内訳をみると、一戸建て現況指数は74と2017年9月以来の低水準となった前月の73から改善した。一戸建て見通し指数も74と、少なくとも過去1年間で最低を示した72から上昇。客足の動向を表す見込み客指数のみ49と、2017年10月以来の分岐点割れを維持した。

NAHB住宅市場指数、約1年ぶりの低水準を維持。

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(作成:My Big Apple NYが作成)

建設資材価格は、住宅販売シーズンが終了間近なせいか頭打ちの兆し。

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(作成:My Big Apple NY)

発表元である全米ホームビルダー協会(NAHB)のロバート・ディエス首席エコノミストは、結果を受け「世帯数の増加に加え、経済と所得の拡大が支えとなり、住宅需要を押し上げている」と振り返った。ランディ・ノエル会長は、需要の背景として「ミレニアル世代などの新規住宅購入者」を挙げた。

――住宅着工件数の一戸建てのうち75%が住宅市場に流入すると試算されるため、65.7万件が販売向けとなる見通しです。7月の新築販売件数を上回るため在庫逼迫解消の一助となり得ます。一方で、米9月NAHB住宅市場指数は8ヵ月ぶりの低水準を維持。8月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、通商政策をはじめリスク要因に住宅市場の減速が挙げられたように、住宅市場はハリケーン被害のあったノースカロライナ州以外で強含むかは微妙な情勢です。

(カバー写真:Sean Geoghegan/Flickr)

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