Hurricane Effects Push Retail Sales Growth To 5-Month High.
米10月小売売上高は前月比0.8%増と、市場予想の0.5%増を上回った。前月の0.1%減(0.1%増から下方修正)を超え、3ヵ月ぶりに増加。伸びとしては、5ヵ月ぶりの高水準となる。自動車を除いた場合は0.7%増と、こちらも市場予想の0.5%増だけでなく前月の0%増から改善した。ガソリン価格の上昇を反映したほか、ハリケーン“フローレンス”や“マイケル”の復興需要が数字を押し上げたとみられる。国内総生産(GDP)の個人消費のうち約4分の1を占めるコントロール小売売上高(自動車、燃料、建築材、外食などを除く)は、0.3%増と2ヵ月連続で増加した。
内訳をみると、主要13カテゴリー中9つで増加し、9月の5カテゴリーから増加した。今回、ガソリン・スタンドに加え、ハリケーンによる買い替え需要に支えられ自動車や建築材・庭園が力強い伸びを示した。項目別の詳細は、以下の通り。
(プラス項目)
・ガソリン・スタンド→3.5%増>前月は0%、6ヵ月平均は1.4%増
・自動車/部品→1.1%増>前月は0.1%減、6ヵ月平均は0.1%増
・建築材/庭園→1.0%増>前月は0%、6ヵ月平均は0.7%増
・電気製品→0.7%増>前月1.5%減、6ヵ月平均は0%
・服飾→0.5%増<前月は0.8%増、6ヵ月平均は0.3%増
・一般小売→0.5%増>前月は0%、6ヵ月平均は0.3%増
(*百貨店は1.3%減>前月は1.0%減、6ヵ月平均は0%)
・スポーツ用品/書籍/趣味→0.5%増>前月は1.3%減、6ヵ月平均は1.1%減
・無店舗(オンライン含む)→0.4%増<前月は1.3%増、6ヵ月平均は0.9%増
・食品/飲料→0.3%増<前月は0.4%増、6ヵ月平均は0.2%増
・ヘルスケア→0%>前月は0.1%減、6ヵ月平均は0.3%増
(マイナス項目)
・外食→0.2%減>前月は1.5%減、6ヵ月平均は0.6%増
・家具→0.3%減<前月は0.5%増、6ヵ月平均は0.3%減
・雑貨→0.7%減<前月は0.1%増、6ヵ月平均は0%
――米10月小売売上高はハリケーンの反動やガソリン価格の上昇を支えに5ヵ月ぶりの高い伸びを遂げました。ただ、過去2ヵ月分が下方修正されたため、コントロール小売売上高の3ヵ月比年率では1.7%増と前期の5.6%増から大きく減速しています。ただ、他指標が好調で、米7~9月期成長率は今回の下方修正を受けても速報値から上方修正される公算が大きい。米10~12月期でみると、コントロールの小売売上高が堅調だったため幸先の良いスタートを切ったと言えます。アトランタ地区連銀は、米10月小売売上高の結果を受け、米7~9月期成長率見通しを2.8%増と従来の2.9%増から下方修正しましたが、2018年に3%成長を達成する軌道を維持したと言えるでしょう。
(カバー写真:The National Guard/Flickr)
Comments
米10月CPI、中古車が上振れもコア前年比は6ヵ月ぶりの低水準 Next Post:
米10月鉱工業生産は堅調、製造業は5ヵ月連続でプラス