ISM Non-Manufacturing Edges Down, But New Orders Hit 6-Month High.
12月のISM非製造業景況指数と、IHSマークイット・サービス業PMI・確報値をおさらいしていきます。
米12月ISM非製造業景況指数は57.6となり、市場予想の58.5を下回った。前月の60.7にも届かず、5ヵ月ぶりの低水準。ただし、追加関税措置や原油安、米株安の影響で急低下した製造業景況感とは裏腹に、金利低下や原油安に伴うガソリン価格の下落もあり、底堅さをみせた。
ISMは、結果を受け「サービス業活動の継続的な拡大を示す」と振り返ったが、「企業は引き続き追加関税動向を懸念した」と付け加えた。直近で「(人手不足やサプライチェーンなどによる)生産活動の抑制は軽減している」ものの、「人手不足での困難は続いている」といい、成長伸び悩みの要因で変わりないようだ。業種別では、18業種中16業種が拡大を報告し前月から1種減少した。縮小した業種は、原油安が響き鉱業となり、その他1業種は横ばいだったとみられる。前月は米国の追加関税措置や中国からの報復関税が影響したのか、農業、木材、漁業だった。
内訳をみると、ビジネス活動や雇用がヘッドラインと同じく5ヵ月ぶりの低水準だったが、新規受注はむしろ6ヵ月ぶりの水準へ上昇するなど、悪い内容ばかりではない。詳細は、以下の通り。
・ビジネス活動 59.9、5ヵ月ぶりの低水準<前月は65.2と2004年1月以来で最高、6ヵ月平均は61.7
・新規受注 62.7、6ヵ月ぶりの高水準>前月は62.5、6ヵ月平均は61.0
・雇用 56.3、5ヵ月ぶりの低水準<前月は58.4、6ヵ月平均は58.3
・新規輸出受注 59.5>前月は57.5、6ヵ月平均は59.6
・在庫変化 51.5<前月は57.5、6ヵ月平均は54.4
・仕入れ価格 57.6<前月は64.3、6ヵ月ぶりの高水準、6ヵ月平均は62.3
▽米12月IHSマークイット・サービス業・確報値、雇用は1年半ぶり低水準
米12月IHSマークイット・サービス業PMI確報値は54.4と、速報値と市場予想の53.4から上方修正された。前月の54.7以下だったが、9月の53.5を超えた。内訳をみると、ビジネス活動が3ヵ月ぶりの水準へ低下したほか、信頼感も1年ぶりのレベルへ落ち込んだ。しかし、雇用と仕入れ価格は上昇した。総合PMIは54.4と、前月の54.7を下回った。
ISM非製造業景況指数は高止まり、マークイット・サービス業PMIは8ヵ月ぶりの低水準から改善。
IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは、結果を受け「サービス活動は向こう数ヵ月の間に鈍化する可能性がある」との見解を寄せた。また、製造業と同じく「受注残が2017年6月以来初めて低下し、需要が細っているのではないか」と指摘。信頼感の低下もあって、「見通しを暗くさせる」と慎重なトーンに終始した。
――雇用が遅行指標であるとはいえ、センチメントの落ち込みも限定的ながら雇用統計で民間サービス就労者数が好調だった点は心強いです。問題は、年明けも雇用が順調に伸びるか否か。ISMの新規受注、マークイット・サービス業PMIの雇用を見る限りは、底堅くなる見通しですが、果たして指標通りの展開となるでしょうか?
(カバー写真:Dolapo Falola/Flickr)
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