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米12月コアCPIは堅調、家具・内装や医療費などが支え

by • January 15, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off1857

Medical Care And House Furnishings Lift Core CPI In December.

米12月消費者物価指数(CPI)は前月比0.1%の低下となり、市場予想と一致した。原油先物が10月初めの75ドル乗せから約40%超も急落する過程で、エネルギーは3.5%が低下。併せてガソリンに至っては7.5%低下し、エネルギー全体と共に2ヵ月連続でマイナスとなる。エネルギー情報局(EIA)によると、ガソリン平均価格は12月に一時2.266ドルまで下落、2016年末以来の水準まで下落していた。そのほか、エネルギーでは電力など公益が平年を下回る気温を受け暖房需要が高まり1.8%上昇、2ヵ月連続でプラスとなった。エネルギー以外では食品・飲料が0.4%上昇、2ヵ月連続でプラスだっただけでなく、約4年ぶりの力強い伸びを遂げた。

CPIコアは市場予想と一致し、3ヵ月連続で前月比0.2%上昇した。項目別では、帰属家賃が前月まで2ヵ月連続で0.3%を経て、0.2%へ鈍化した。家賃は0.3%の上昇と前月と変わらず。ホテルなど宿泊が年末要因から2.7%と急伸し、住宅関連を押し上げた。結果、住宅全般では11月に続き、0.3%の上昇となる。住宅以外では娯楽が0.6%上昇、前月の0.4%を超え強い伸びを遂げた。医療費も0.3%上昇、4ヵ月連続でプラスに。教育は0.1%上昇、3ヵ月ぶりにプラスに転じた。パソコンが1.4%上昇し、3ヵ月ぶりに好転したことで教育を支えた。家具・内装は0.3%上昇し堅調な伸びを維持トランプ政権が2018年9月24日に発動した対中知財制裁関税措置の第3弾に家具などが加わったため、その影響が及んだ可能性がある。

一方で、輸送は2.0%低下し、前月の0.8%の低下と合わせ2ヵ月連続でマイナスだった。中古車は0.2%低下、前月まで2ヵ月連続で2%乗せだったが、遂にマイナスに転じた。新車は前月に続き、横ばいとなる。航空運賃は前月の2.4%の低下に続き1.5%低下した。服飾は前月に3ヵ月ぶりにマイナスとなった後も、寒冷な気温が仇となり横ばいにとどまった。

CPIはエネルギーが重石となり、前年比で1.9%上昇し市場予想と並んだ。前月の2.2%にも届かず、2017年8月以来の2%割れとなる。7月に2.9%と2012年2月以来の高い伸びを遂げたが、エネルギー価格押し下げ以降は鈍化が続く。コアCPIは2.2%上昇、市場予想並びに前月と一致した。ただし。2008年10月以来とリーマン・ショック直後の水準へ加速した7月の2.4%以下を続けた。

CPIは約1年半ぶりの低水準も、コアは底堅さを維持。

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(作成:My Big Apple NY)

――12月公表のベージュブックでは、追加関税措置に伴う原材料価格の高騰を受け、最終価格への転嫁の可能性が指摘されていました。今回、コアの財が0.2%上昇し3ヵ月連続でプラスだったように、追加関税措置の余波が及んだ可能性を残します。

CPIコアの動きと連動するように、NY連銀の調査によればインフレ期待は若干の上昇にとどまる半面、平均時給が加速しました。

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(作成:My Big Apple NY)

問題は、賃金加速が続き、インフレ期待上昇による個人消費抑制を回避するか否かです。既に逆資産効果で個人消費の下押しが懸念されるなか、1~3月期の成長鈍化に注意です。政府機関の閉鎖の余波も気になるところですし・・。

(カバー写真:National Eye Institute/Flickr)

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