NAHB Housing Market Index Rebounds From 3-Year Low.
米1月NAHB住宅市場指数は58 となり、市場予想と前月の56を上回った。追加関税措置の影響に加え、米株安や世界景気の減速懸念が痛手となり、2018年12月は2015年5月以来の低水準となったが、金利低下を手掛かりに小幅ながら改善している。内訳をみると、一戸建て現況指数は63、2015年5月以来の水準へ落ち込んだ前月の61から上昇。一戸建て見通し指数も64と、2016年3月以来の低水準だった前月の61を上回った。客足の動向を表す見込み客指数も44と2016年3月以来の弱さとなった前月の43から若干改善しつつ、3ヵ月連続で50の分岐点割れとなる。
NAHB住宅市場指数、小幅改善も他項目と合わせトランプ大統領就任後の上昇打ち消しは変わらず。
地域別では、2地域で上昇し前月のゼロから改善した。特に上振れしたのは北東部で前月から12ポイントも急伸、前月の16ポイントもの大幅な低下を巻き戻しつつある。西部は70と、3ヵ月ぶりに70台を回復。その他では住宅市場の規模が最大の南部が前月と変わらず61と、直近で最低を維持。中西部は前月から3ポイント低下の49となり、直近で初めて分岐点を割り込んだ。
発表元である全米ホームビルダー協会(NAHB)のロバート・ディエス首席エコノミストは、結果を受け「住宅ローン金利が徐々に低下し、センチメントの持ち直しにつながった」と説明した。また「低い失業率をはじめ、堅調な雇用の増加、良好な人口動態などが住宅需要を支える」と楽観的な見方を寄せる。一方、建設業者は「若い層など新規購入者向けに住宅価格の値頃感を維持する上で、建設コストの上昇の管理が必要」とも付け加えた。
――米1月NAHB住宅市場指数は、新築物件の増加が指摘されるNYを含む北東部が大幅に改善し、全体を支えました。価格の上昇が著しかった西部も持ち直し、住宅ローン金利の低下が一役買ったに違いありません。NAHBは、住宅ローン金利につき一時の5%超えから、4.5%付近へ低下したとも指摘しています。
気になる建設資材コストが頭打ちしている点は好材料ながら、一次産品のPPIは底堅い。
問題は、こうした改善が住宅指標に現れるのか。政府機関の閉鎖で住宅指標の発表が一部遅れてしまうので、判断材料不足な点は否めず。幸い中古住宅販売件数は民間の全米リアルター協会が発表元なため予定通り22日にリリースされますが、米国勢調査局が出所の新築販売件数と住宅着工件数、建設支出などは政府機関の再開まで待たねばされません。新築住宅販売件数に至っては2018年12月から公表されておらず、11月分から止まったままです。早期に再開されればよいのですが、トランプ政権内のスタッフ間でもメキシコ壁予算をめぐる見解で分裂しているようで、まだ時間が掛かりそうです・・。
(カバー写真:chaim zvi/Flickr)
Comments
1月ベージュブック:追加関税以外の不確実要因が増加、楽観度後退 Next Post:
ジレットのCMが問い掛ける新たな”男らしさ”、全米で大紛糾