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米1月耐久財受注、コア資本財の落ち込みは設備投資減速の兆候か

by • February 22, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off3432

Core Capital Goods Orders Unexpectedly Drop, Sign Of Slower Capital Spending?

米1 月耐久財受注は前月比1.2%増となり、市場予想の1.7%増を下回った。前月1.0%増(0.7%増から上方修正)を超え、2ヵ月連続で増加しただけでなく、4ヵ月ぶりの強い伸びとなる。

内訳をみると、輸送用機器を除く耐久財は0.1%増と、市場予想の0.3%増を下回った。前月の0.2%減(0.4%減から上方修正)を超え、前月から増加に転じている。耐久財受注を押し上げたのは輸送用機器で3.3%増と、前月の3.4%増(修正値)を含め、2ヵ月連続で増加。民間航空機が28.4%増と前月の4.5%増(修正値)を含め、2ヵ月連続で増加している。自動車は2.1%増と、前月の0.4%増と合わせ、4ヵ月連続で増加した。一方で、防衛財も7.0%減と、前月の19.0%増(修正値)を下回り、過去4ヵ月間で3回目の減少となった。企業の設備投資を表す民間航空機を除く非防衛財(コア資本財)は0.7%減と、市場予想の0.2%増に反する結果となった。前月の1.0%減(0.6%減から下方修正)を下回り、2ヵ月連続で減少した。

耐久財出荷は前月比0.8%増と前月の1.0%増(修正値)を下回りつつ、過去5ヵ月間で4回目の増加となった。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財の出荷は0.5%増と、市場予想の横ばいを上回った。前月の0.2%減から転じ、過去5ヵ月間で2回目の増加となる。

耐久財受注、コア資本財受注が2ヵ月連続で減少。

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(作成:My Big Apple NY)

耐久財在庫は0.2%増となり、前月の0.4%増(修正値)を含め4ヵ月連続で増加した。出荷の伸びが在庫を上回ったため、在庫相当は前月の1.61ヵ月から1.60ヵ月へ短縮した。

――GDPの機器投資を反映するコア資本財の出荷が増加したものの、受注が2ヵ月連続で減少した点は気掛かり。政府機関の閉鎖や豪雪などの一時的要因なのか見定めたいところですが、フィラデルフィア連銀製造業景況指数は2月に2016年5月以来の分岐点割れを迎えています。

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(作成:My Big Apple NY)

幸いフィラデルフィア連銀製造業景況指数の設備投資見通しは、先に発表されたNY連銀とともに堅調。大幅な落ち込みは回避しそうですが、その一方で大幅改善を期待できそうにありません。

durable-capex(作成:My Big Apple NY)

1~3月期の設備投資が鈍化する見通しな上。米12月小売売上高や年末商戦の結果の通り個人消費も期待できず、1~3月期の成長率は2%割れ必至の様相。アトランタ地区連銀は従来の1.5%増→1.4%増へ下方修正しており、ハセット大統領経済諮問委員会(CEA)委員長が豪語するような3%成長は、2018年で一旦は終わりを告げそうです。

(カバー写真:Chicago Transit Authority/Flickr)

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