Government Shutdown, Polar Vortex Pushed Existing Home Sales Down To 3-Year Low.
全米リアルター協会(NAR)が発表した米1月中古住宅販売件数は年率494万件と、市場予想の500万件を下回った。3ヵ月連続で減少。前月の500万件(499万件から上方修正)を1.2%下回った結果、2015年11月以来の500万件割れを迎えた。政府機関の閉鎖に伴い住宅ローンを支援する住宅都市開発省や農務省などにとる審査・承認が滞った上、豪雪など悪天候も重石となったようだ。前年比では8.5%減と11ヵ月連続でマイナスだった。
内訳をみると、一戸建てが437万件と前月の445万件を1.8%下回り、ヘッドラインと同じく2015年11月以来の低水準だった。複合住宅は逆に3.6%増の57万件と3ヵ月ぶりに増加、2012年7月以来の水準へ落ち込んだ前月から改善した。
中古住宅販売件数、複合が増加も一戸建てが弱い。
4大地域別では、1地域で増加し前月のゼロを上回った。複合住宅の比率が高い北東部が2.9%減(前月から増加に反転)の70万件となる。一方で、住宅市場規模が最大の南部が1.0%減(3ヵ月連続で減少)の208万件だったほか、IT企業が集まり住宅価格の高騰が著しい西部も2.9%減(3ヵ月連続で減少)の100万件だった。中西部は2.5%減(2ヵ月連続で減少)の116万件となる。
在庫件数は前月比3.9%増の159万件と7ヵ月ぶりに増加し、2017年12月以来の低水準から切り返した。逆に前年比では4.6%増と6ヵ月連続でプラスとなる。なお、在庫件数は2016年12月に165万件と1999年以来での最低を更新していた。販売が減少し在庫が増加した結果、在庫相当は前月の3.9ヵ月と、9ヵ月ぶりの水準へ短縮した前月から延びた。
中央価格は前月比2.8%下落の24.75万ドルと、過去7ヵ月間で6回目のマイナスとなった。前年比では2.8%上昇、2012年3月以降続くプラス基調を保つなかで最低の伸びとなった。これまで前年比で平均時給の上昇ペースを上回ってきたが、2ヵ月連続で平均時給の伸び以下にとどまる。販売日数は49日と、前月の46日並びに前年同月の42日からも延びた。NARは、販売件数の38%が1ヵ月以内に買い手がついたと説明、前月の39%を若干ながら下回り、2018年8月の55%からの低下トレンドを続けた。
買い手の内訳は、以下の通り。
・差し押さえ物件3%>前月は2%と統計を開始した2008年10月以来で最低、前年同月は4%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅)1%>前月は0%、前年同月は1%
・新規購入者29%<前月は32%、前年同月は29%
・現金購入者23%>前月は22%、前年同月は22%
・住居用ではなく投資向け16%>前月は13%、前年同期は17%
発表元のNARのローレンス・ユン米エコノミストは、2015年11月以来で最低だった販売件数を受けても悲観しておらず「循環的に底を打ったと考えており、住宅価格の上昇ペース鈍化や家計所得の拡大により、値ごろ感が増す」とコメントする。その上で、春から幕開けする書き入れ時にかけ「住宅市場に買い手が戻って来る」と予想した。
――1月は政府機関の閉鎖や豪雪など、一時的要因が全体を押し下げた可能性は否めません。新規購入者の比率低下は、その証左ではないかと。ただ、こちらで指摘したように中古住宅は販売用の物件不足が否めず。中古住宅販売が大幅増加しても、一時的にとどまるのではないでしょうか。
(カバー写真:mriggen/Flickr)
Comments
米1月耐久財受注、コア資本財の落ち込みは設備投資減速の兆候か Next Post:
1月FOMC議事要旨、資産圧縮の終了で概ね一致も手段は不透明