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米5月耐久財受注、コンピュータや機械を支えにコア資本財は改善

by • June 27, 2019 • Finance, Latest NewsComments Off2159

Capital Goods Rebounds, Pushed By Conputors And Vehcles In May.

米5月耐久財受注は前月比1.3%減となり、市場予想の0.3%減を下回った。前月の2.8%減(2.1%減から下方修正)を含め、2ヵ月連続で減少した。過去4ヵ月間では、3回目の減少となる。

内訳をみると、ヘッドラインほど暗い内容ではない。輸送用機器を除く耐久財は0.3%増と、市場予想の0.1%増を上回り、前月の0.1%減(横ばいから下方修正)から改善した。輸送用機器は4.6%減と、前月の7.6%減(修正値)と合わせ2ヵ月連続で減少。輸送機器のうち、振れの大きい民間航空機が28.2%減と前月(39.3%減、修正値)に続き弱い。ボーイング“737MAX”の出荷停止が背景にある。逆に、米5月新車販売台数が年率で1,700万台を回復するなか、自動車は0.6%増と前月の3.2%減から小幅ながら改善した。その他、防衛財が7.8%減と、3ヵ月ぶりに減少した。

企業の設備投資を表す民間航空機を除く非防衛財(コア資本財)は0.4%増と、市場予想の0.1%増を超えた。前月の1.0%減から改善し、過去5ヵ月間で4回目のプラスとなる。華為技術(ファーウェイ)の禁輸措置が決定されるなか、コンピュータ・電子機器が力強い伸びをみせた。詳細は、以下の通り。

・コンピュータ/電子部品 0.8%増>前月は0.6%減、6ヵ月平均は0.1%減
・機械 0.7%増、2ヵ月連続で増加>前月は0.2%増、6ヵ月平均は横ばい
・自動車/部品 0.6%増>前月は3.2%減、6ヵ月平均は0.2%減
・一次金属、0.4%増>前月は2.4%減、6ヵ月平均は0.7%減
・電気機器 0.4%減>前月は1.0%増、6ヵ月平均は0.6%増
・組み立て金属 0.4%減<前月は1.0%増、6ヵ月平均は0.2%減

耐久財出荷は前月比0.4%増となり、前月の1.6%減(修正値)から小幅ながら増加に転じた。国内総生産(GDP)で参照されるコア資本財の出荷は0.7%増と、市場予想の0.1%増を上回った。前月0.4%増(横ばいから上方修正)を含め、3ヵ月ぶりに増加した。

前年比では、コア資本財の受注が1.0%増と2017年3月に増加基調に入ってから2番目に低い伸にとどまった。コア資本財の出荷は前月を上回り4.2%増と、法人税減税の恩恵を得て力強く伸びた2018年平均の6.6%増に届かなかったものの、底堅さをみせた。出荷は堅調だったものの、先行指標である受注には鈍化の兆しがみられ、追加関税措置や世界景気減速の影響のほか、半導体関連の調整地合いが効いているようだ。

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(作成:My Big Apple NY)

耐久財在庫は0.5%増となり、前月の0.4%増を超え増加トレンドを維持した。出荷と在庫の伸びが同程度だったため、在庫相当は前月に続き1.67ヵ月だった。

――耐久財受注の結果を受け、アトランタ地区連銀は米4~6月期実質GDP予測値を従来の2.0%増から1.9%増へ下方修正しました。耐久財受注ではコア資本財で小幅に改善したとはいえ、ボーイング“737MAX”の生産停止しにより設備投資は4~6月期に下振れする恐れがあり、卸売在庫や前渡商品貿易収支を加味しても、やはり上方修正には至らず。4~6月期がソフトパッチにとどまるかは、週末のG20首脳会議中に予定する米中首脳会談が握っています。とりあえず、一時休戦で両者は合意したようですが・・。

(カバー写真:Department for Business Innovation And Skill’s Photostream/Flickr)

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