U.S. And China Have Reached Phase One Deal, Can We Expect Phase Two?
※紛争解決の項目の部分を追記します。正式署名は、2020年1月15日。
米中貿易協議の第1段階の合意が13日、実現しました。トランプ大統領のツイッターのほか、中国商務省高官の記者会見などで明らかになっています。
USTRの公式資料に基づけば、以下の7項目で合意に達しました。
1.知的財産権の保護
2.強制技術移転
3.中国による米国産農産物の購入
4.金融サービスの自由化
5.為替レートの透明化
6.貿易の拡大
7.紛争解決(自然災害や制御・予見不可避の事態が発生した場合に履行遅延を協議すると明記)
さらに、対中追加関税措置につき以下の3件で合意しています。
・米国は12月15日から発動予定だった第4弾の対中追加関税の残り555品目、約1,600億ドル相当を見送る方針を決定。
・2019年の9月に第4弾として最初に発動した3,243品目、約1,200億ドル相当への関税率も従来の15%から7.5%へ引き下げ
・中国は、12月15日発動予定だった対中追加関税先送りを受け、報復措置を取り下げ
トランプ大統領は、ご覧の通り勝利宣言ならぬ勝利ツイートを放っております。
(出所:Donald J. Trump/Twitter)
ただし、2018年に発動済みの約2,500億ドル相当に対しては現行のままとなりました。ここで、米中追加関税第1弾から第4弾まで振り返りながら現状をおさらいしていきましょう。
最悪の事態を切り抜けたことは事実ですが、やはり問題先送りという結論が導かれます。既存の対中追加関税措置は継続。また、中国による農産物購入規模は一部報道で500億ドルと言われていますが、300億ドルすら突破していないので、非現実的です。知的財産保護や強制技術移転の取り締まり強化が含まれつつも詳細は不明で、ハイテク産業などへの補助金の完全撤廃に至っては盛り込まれていません。
ムニューシン財務長官は14日、第1段階の合意の署名は翻訳など事務作業などを経て「2020年1月初め」となる見通しと発言していました。では、肝心の次の段階はどうなのかというと「第2段階A、第2段階B、第2段階Cとなるかもしれない」と非常に曖昧でした。大方の予想通り、米中貿易協議の第1段階合意は、長期戦となる構図に変化を与えなかったと言えそうです。
(カバー写真:The White House/Flickr)
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