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破産申請件数増加の陰で、採用に積極的な企業とは

by • September 2, 2020 • Latest News, NY TipsComments Off2209

Those Are The Companies Currently Hiring During Pandemic.

コロナ禍を受け、リストラの波が米国を飲み込みつつあるかのようです。

例えば8月だけでも、好決算を発表しダウ構成銘柄に選ばれたソフトウェア大手セールスフォースは1,000人(全従業員の約2%)自動車大手フォードは1,000人(全従業員の約0.5%)飲料メーカー大手コカ・コーラは4,000人(全従業員の約5%)放送局ユニバーサルNBCは3.5万人(全従業員の約10%)の人員削減を発表しました。コロナ禍に加え「小売の終末」に喘ぐ小売業者や油価低迷という逆風が吹きつけるエネルギー業界以外にも、リストラが広がりつつある証左と言えます。

実際に破産申請件数は全業種で増加中、1~7月までの年初来で前年比29.6%増の4,247件でした。このままのペースで増えれば2012年以来で最多となる見通しです。

チャート:全業種でのチャプター11申請件数、5月に約2年ぶりの高水準となった後も高止まり

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(作成:My Big Apple NY)

しかし、その陰で5~7月の雇用統計が過去3カ月間で約930万人の雇用を回復したように、新たに採用する企業も少なくありません。米8月雇用統計の発表を控え、どんな企業が雇用を増加させたのか、求人・転職情報大手ジップリクルーターがまとめた7月の企業別求人件数のランキングをご紹介しましょう。

15位 コストコ(卸売) 1,463件
→レジ係、在庫管理、食品サービス担当など

14位 J.P. モルガン・チェース(銀行) 1,577件
→ソフトウェア・エンジニア、ビジネス・アナリスト、プロジェクト・マネージャーなど

13位 カルバナ(中古車販売) 1,606件
→技術者、ユーザー・エクスペリエンス・デザイナー、マーケティング・プロジェクト・マネージャーなど

12位 プロメディカ・ヘルス・システム(ヘルスケア) 1,622件
→看護師、看護アシスタント、医療アシスタントなど

11位 ホール・フーズ・マーケット(スーパーマーケット) 1,661件
→食料品担当、ベーカリー担当、レジ係、ソフトウェア・ディベロッパーなど

10位 ウェルズ・ファーゴ(銀行) 2,468件
→住宅ローンコンサルタント、カスタマーサービスなど

9位 マクドナルド(ファストフード) 3,219件
→販売員、マネージャー、人事担当など

8位 IBM(ソフトウェア) 4,692件
→モバイルアプリ・ディベロッパー、データ・センター向け技術者、プロジェクト・マネージャーなど

7位 フェデックス・グラウンド(配送) 4,692件
→オペレーション・マネージャー、配達員、技術者など

6位 ウォルマート(小売) 5,133件
→レジ係、購買担当

5位 ドアダッシュ(出前、宅配) 1万3,141件
→配達員、マネージャー

4位 アンセム(医療保険) 1万4,472件
→プロジェクト・マネージャー、ビジネス・コンサルタント、リカバリー・スペシャリストなど

3位 オラクル(ソフトウェア) 1万5,548件
→データ・アーキテクト、ソリューション・アークテクと、セールス・コンサルタントなど

2位 ロウズ(リフォーム関連小売) 2万1,281件
→アシスタント店舗マネージャー、販売員、運搬担当など

1位 アマゾン(ネット小売) 9万2,727件
→運転手トレーナー、包装係、オペレーション・マネージャー、薬剤師、エリア・マネージャー、トラック運転手、バイヤーなど

予想通り業績が絶好調だったアマゾンが1位を始め、リフォーム小売関連、ヘルスケア関連、ソフトウェア関連、小売の勝ち組が上位を占めました。また、コロナ禍で需要が格段に上がった出前・宅配サービスのドアダッシュも、チップ支払い問題を解決するなか5位にランクインしています。娯楽・宿泊や製造業が苦戦するなかで、勝機を捉え採用活動を進めるセクターは米成長の回復のカギを握っているといっても過言ではありません。

(カバー写真:Mike Cohen/Flickr)

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