Angelina’s Medical Choice, Not Easy For Every Woman.
好きか嫌いかは別として、この人は常に新しい時代の流れを持ち込んできますよねぇ。
誰かといいますと、アンジェリーナ・ジョリー。言わずと知れたハリウッド界きっての色男ブラッド・ピットを、2004年当時ジェニファー・アニストンから略奪したアカデミー賞女優です。腕に彼の出身地のタトゥーを施したことでも知られてますね。彼女、14日付けニューヨーク・タイムズ紙のOp-Edつまり論説欄に「My Medical Choice(私の医療的選択)」と題した記事を寄稿、両乳腺切除手術を受けたと発表しました。
NYT紙へ向けた論説欄で、以下のシンプルな写真を採用。
アンジーいわく、お母さんは56歳とまだ若い年齢で10年の闘病生活を経て乳ガンで他界したそうです。彼女自身も不安を覚え調べてみると、「BRCA1」というガン細胞を抑制する機能をもつ遺伝子の欠陥を発見。不完全な「BRCA1」を有する場合は乳ガン、卵巣ガン、前立腺ガンの発生リスクが高まると言われるように、アンジーも医師から「乳ガンにかかるリスクは87%、卵巣ガンが発生する確率は50%」と診断されました。
シャイロちゃんを筆頭に3人の実子を抱えるだけでなく、カンボジア、エチオピア、ベトナムからそれぞれ3人の養子を迎えていることもあり、大家族の母としては、それぞれの成長を見守りたいという強い気持ちが働いたのか。ガンの危険性を低減すべく、手術を決断したアンジー。自らの母親が、シャイロちゃんの姿を見ることしか叶わなかったとあれば、なおさらでしょう。たとえ、乳房を失うことになったとしても・・・。術後にインプラントを入れるとはいえ8時間に及ぶ大手術ですから、ブラッドも「誇りに思う」とコメントするのも、当然です。
大家族です!いつのまにか4月に婚約を発表してたんですね。
アンジーの今回の寄稿、マーケット的にいうと遺伝子関連のバイオ企業の投資チャンスにつながるのかもしれません。本日、遺伝子検査などを行うバイオ企業ミリアド・ジェネティックスは、3.0%高で引けました。グーグル創業者の1人であるロシア系のセルゲイ・ブリン氏である妻アン・ウォジツキさんが設立した、遺伝的にかかりやすい病気を簡単に探索できるサイト23andmeも、注目されそうですね。
何より、保険業界に波紋を投げかけること必至。通称オバマケア、医療保険改革案のガイドラインでは、遺伝子検査が保険でまかなわれ「無料」のはずなんです。ただし、具体的なカバレッジは未定。ミリアドも今回アンジーな受けた遺伝子検査の費用を4000ドル(40万8000円)と見積もってますから、誰にでもできるわけではありません。
アンジーもこうした事情を配慮したのか、「多くの女性には足かせとなるでしょう」と指摘していました。彼女の論説が保険業界に風穴を開けるのか、同じ女性として目が離せません。
しかしアンジーの人生を振り返ると、この人はどういうかたちであれ時代の先陣を切ってきましたよねぇ。(ナイフ好きだからかしら)。
まずは養子縁組。
初めての養子縁組は2002年で、当時の旦那サマだったビリー・ボブ・ソーントンはカンボジア人の子供マドックスくんに嫉妬して離婚したとの噂もありましたっけ。あの後セレブをはじめ養子縁組が一般化し、最近ではサンドラ・ブロックやシャーリーズ・セロンまでシングル・マザーとして養子を引き取ってます。
次に、ダンマリ戦略広報アプローチ。
2004年公開の映画「Mr. and Mrs Smith(ミスター・アンド・ミセス・スミス)」の共演で恋に落ちたブラッド・ピットとは、彼が妻ジェニファー・アニストンと正式に離婚後もダンマリを決め込む広報戦略を駆使しました。セレブの場合、広報を通じ交際を発表なんて当たり前でしたけど、「語らぬが花、見りゃ分かるでしょ」作戦は、後にJay-Zと歌姫ビヨンセがお手本にするなど、ビッグ・カップルが真似することとなりました。
最後は、なんといっても慈善活動。
マドックスくんの養子縁組から約1年前から世界各国を回って慈善活動を展開し、今となっては国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使にまで登り詰めました。特に難民、子供、女性向け支援に熱心でアフリカのシエラレオネから、大震災に見舞われたハイチ、女性の権利向上を目指す女学生が銃撃されたパキスタンなど、世界20カ国以上を回ったとか。
ブラッドとともに提供した寄付金も莫大で、2008年のセレブ別寄付金ランキングでは840万ドル(8億5680万円)で6位に輝きました(ちなみに1位はオプラ・ウィンフリーで5020万ドル/51億3060万円)。2010年には「国境なき医師団」に100万ドルを寄付したり、最近では2012年12月にシリア難民に5万ドル提供したり、さすがA級セレブは違います。若い女性の間をはじめ、寄付への意識を向上させるのにひと役もふた役も買ったことでしょう。最近では、レディ・ガガやらリアーナも倣ってます。
好き嫌いが別れるでしょうが、遺恨のあるNYT紙に論説を寄稿するというのは、気風がいいじゃありませんか。
Comments
ヒルゼンラス記者、週末に2本のFed関連記事を投入 Next Post:
IRS税務審査問題で、再び注目のティーパーティー