NSA Prism Spying : The Poll Shows Americans “Approve” It.
米国家安全保障局(NSA)および米連邦捜査局(FBI)が行っていた極秘個人情報収集プログラム「プリズム」、英ガーディアン紙を皮切りに米ワシントン・ポスト(WP)紙も続いて報じ、全米メディアをにぎわせております。内部告発者として、元CIAの技術担当員で民間請負業者からNSAに勤務していたエドワード・スノーデン氏が名乗りを挙げた後は、蜂の巣を突いたような過熱ぶりです。
エドワード・スノーデン氏に対して、「英雄か売国奴か」とのヘッドラインが踊るなか、米議員は早速、スノーデン氏の告発に反応していますよ。米下院のテロ対抗措置・情報小委員会のピート・キング委員長(NY州選出、共和党)は送還を要請すべきと主張してます。反対に、ホワイトハウスの名物である嘆願書サイトにはスノーデン氏を処罰しないよう求める請願が9日に立ち上がり、NY時間10日の午後7時時点(日本の11日午前8時時点)、つまりざっと1日で2万9537万人を数える反響ぶり。7月9日の締め切りまでにあと7万463人が署名すればオバマ米大統領が対応する見通しですが、この分だと余裕でしょう。
少なくとも、AFPが報じたようにペンタゴン・ペーパーズのダニエル・エルズバーグ氏、ウィキリークスに軍事機密をもたらした米陸軍分析官ブラッドリー・マニング氏と並び、「米国史上に残る機密保護違反の1例」となったことだけは、間違いないようです。
スターウォーズの「デス・スター」まで嘆願書に上がるように、何でもアリ加減が魅力的なサイト。
一見すると、全米のアメリカ人が固唾を呑んで成り行きを見守っているかのようですが・・・。
英ガーディアン紙が米国家安全保障局(NSA)によるベライゾン加入者の通話記録の収集したと報じてもまもなく、ワシントン・ポスト紙が6日に「プリズム」にアップル、マイクロソフト、グーグル、ヤフーなどあわせて9つのウェブ関連企業がユーザーの電子メールや文書、写真、利用記録など多岐にわたる情報の収集に協力していたと報道。名指しされた各社は、お決まりのように関与を否定する声明を出してましたっけ。いずれにしても反応は限定的で報道後の7日の取引でグーグルは1.8%高、フェイスブックは1.4%高、その他も上昇してたんですよね。(追記:米5月雇用統計の結果で押し上げられたとのご指摘を受けそうですがたとえばマイクロソフトは7日まで3日続伸、グーグルとフェイスブックも6、7日に続伸してました)
WP紙によると、いかにウェブ関連企業が協力していたかが一目瞭然。
株価の反応は、政府の個人情報収集に対するアメリカ人の諦観を映し出しているのかもしれません。同時多発テロ事件を経験したニューヨーカーいわく、肩をすくめて「だってあのときにもう勝負アリだったからね」。要は寝耳に水ではない、というわけです。ブッシュ政権がテロ防止という大義名分の下で成立させた「米愛国者法」により、通話記録から電子メール、医療記録にわたって政府のアクセスを可能にさせてしまっていましたから。
WP紙の世論調査によると、今回のNSAによる通信記録の入手に対し56%が「受け入れられる」と回答してました。「受け入れられない」の41%を上回っていたんですよね。2006年1月に裁判所の承認なしでNSAが通話記録や電子メールの情報にアクセスしていたことが問題として浮かび上がった当時は支持が51%、不支持が47%。今の方が、映画「ボーン・レガシー」をはじめとしたスパイ映画の影響か、理解が広がっている気配すら漂います。そういえば2012年1月も、国防権限法に対し「ウォール街を占拠せよ!」の皆さんが一致団結して反対した程度で、すぐに収束してしまいましたしねぇ。
反対に告発者が従業員だったとあって、NSAの請負業者だったコンピューター関連コンサルティング会社ブーズ・アレン・ハミルトン・ホールディングが売りで反応。2.6%下落して引けており、明暗がはっきり分かれました。
オバマ米大統領は7日、中国の習主席と首脳会談後に記者会見で世論が不快に感じている点には理解を示しつつ「プライバシーを100%保持し0%の不便をもってして、100%の安全保障は得られない」と発言しましたっけねぇ。テロとの対策に必要かつ合法的な手段だったと説明されたら、自由を愛するアメリカ人とてやみくもに反対できないというわけでしょう。
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