Could Yellen Reveal Her Hawkish Side At Q&A?
米上院銀行委員会にて、米連邦準備制度理事会(FRB)次期議長に指名されたイエレン副議長の指名公聴会を14日に行います。イエレン副議長の公の場で見解を表明するのは6月以来、5ヵ月ぶりなんですね。金融政策についての言及に限れば、4月以来と7ヵ月ぶりです。
注目の公聴会直前、グッゲンハイムがレポートでタカ派寄りへシフトする可能性を指摘しました。前大統領経済諮問委員会(CEA)委員長のオースタン・グールズビー氏も、Fedは将来の出口政策を見据え第一歩を踏み出してもおかしくないと予想していたんです。そのせいか、米債も米株も軟調だったところ・・公聴会を控え、山が動きました!
NY時間の午後12時過ぎ(日本時間の午前2時過ぎ)、「イエレンFRB副議長の公聴会向け原稿が本日の午後に公表される」という噂が駆け巡ったんです。ハト派寄りになると踏んだマーケットは米株高・米債高(金利低下)・ドル高へ舵を切り、ダウ平均とS&P500はザラ場・終値ともに過去最高値を更新して引けを迎えました。
ダウ平均のチャートをみると、噂が流れた時間と下げ幅を縮小したポイントが重なります。
ハト派寄りの見解を示す確率に賭けたマーケット、見事に的中させたんですよね。
NY時間午後4時30分に、噂どおり事前に配布された証言テキスト内容はといいますと。
イエレン副議長は、米経済と労働市場の動向が「
エコノミストの評価をみてみましょう。
バークレイズのピーター・ニューランド米エコノミスト
「サプライズに乏しい内容。『潜在的な水準を下回る労働市場と経済成長を反映し、失業率は10月時点で7.3%と依然として高過ぎる』との見方は従来どおりで、明らかにハト派寄りだ。」
ハト派スタンスを確認して、14日も米株高・米債高・ドル安が続くのか。
問題は、質疑応答です。エコノミストの見通しをみると・・。
ドイツ銀行のラボローニャ米主席エコノミスト
「イエレン副議長がQE縮小に時期や第1弾の利上げなど具体的な言及を避けるなか、中立寄りのスタンスを取ればタカ派寄りと判断されかねない」
JPモルガン・チェースのマイケル・フェローリ米主席エコノミスト
「イエレン副議長は、タカ派的な発言を引き出そうとする誘導尋問に引っ掛からないだろう。3つの理由が考えられ、1つにインフレが目標値の2%を大きく下回っているため、2大目標のひとつである物価安定に尽力する必要がある。2つ目にイエレン副議長は、他のFRB議長候補とは異なりバーナンキ議長が進めた透明性拡大に尽力した人物。FOMC声明文の文言変更を通じ、市場と対話するだろう。第3に、Fedが長い時間をかけ市場に緩和策を継続すると説得してきた努力を無駄にしてしまうためだ。」
証言テキスト通りハト派スタンスを貫くのか、質疑応答でハト派寄りと判断された証言テキストとバランスを取るのか。物価安定を遵守する姿勢を強調するということは緩和寄りと判断されると同時に、インフレを容認しない立場とも解釈できるのは、悩ましいです。
(カバー写真 : Bloomberg)
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イエレン副議長、質疑応答でもハト派スタンスを貫徹