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【追記】テスラが最高値を更新、決算以外の理由とは?

by • February 20, 2014 • Latest NewsComments (0)1771

Tesla Stock Accelerated To New High With Bright Direction.

現実世界のアイアン・マンことイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)率いるテスラ、最高値を更新しています。

19日引け後に発表した10-12月(第4四半期)決算が好感されたためで、内容は以下のとおり。
・純損失が1620万ドルと前年同期の8990万ドルから大幅に縮小、ただ市場予想の93万3000ドルよりは拡大。
・株式報酬など特別項目を除いた1株当たり利益(EPS)は33セント、市場予想の21セントより強い。
・売上高は非GAAPベースで前年同期比148%増の7億6130万ドルとなり、市場予想の7億1270万ドルを上回った。新車の売上も6億1090万ドルと、前年同期の2億9440万ドルから大きく増加。
・主力セダン「モデルS」の販売台数は6892台となり、1月に示した同社予想の6900万台に近い数字に。
・2013年の純損失は7400万ドルと、2012年の3億9620万ドルの約5分の1に縮小した。

見通しは、以下のとおり。
・2014年の粗利益は約28%と、2013年の25.2%から上昇へ。
・1-3月期の生産台数は7400万台と増加する半面、出荷台数は6400台へ。出荷台数は一部の市場予想6900万台を下回ったが、同社は海外への出荷に掛かる時間が影響で台数に差が生じたと説明する。
・2014年の「モデルS」販売台数は、3万5000台と見込んでおり一部のアナリスト予想レンジである2万9000台-3万2000台を上回った。2013年の2万2450台から55%増加する見通しで、3月から中国で販売開始となり売上加速につながるという。中国での価格設定は、米国の販売価格(7万1000ドルから)に近い水準となる見通しで「業界トレンドとは異なりリスクをはらむ」と説明。

決算は大幅増収、販売台数と生産台数は好調なペースで粗利益は上昇する見通しとあれば株価が上昇するはず。他にこんな材料が飛び出せばなおさらです。

・マスクCEOは、株主向けの書簡で課題のひとつとされるカリフォルニア州フレモント工場での生産台数目標を「週当たり1000台」と掲げ、従来の「600台」から引き上げ。
・世界のリチウムイオン電池の生産量に匹敵する第3世代向けモデル向けバッテリー製造工場「ギガファクトリー」につき、近々詳細な情報を提供すると明かす。
・決算後のカンファレンス・コールではスポーツ多目的車「モデルX」の生産につき、2015年初めと予想。マスクCEOの従来予想である2014年末から後ろ倒し。ただしプロトタイプ自体は、2014年末に披露する予定で、2015年初めには出荷を開始する可能性に言及。

「モデル X」の販売時期の先送りは、マスクCEOが決算後にインタビューに応じたブルームバーグTVで「私の完璧主義に非があり、SUVでデザイン美と機能を同時に追及するのは難しい」と明かしていました。ストリートの羨望とドライバーの満足を同時に叶えるべく、2012年に最初に発表されたモデルより秀逸になるとも豪語しています。

モデルX、最終的な全貌は2014年末明らかに!
modelx
(出所 : insideevs.com )

マスクCEOはさらに、2013年春にアップルの合併・買収(M&A)責任者と会合をもったことを認めました。「買収観測を含め何もコメントできない」としつつ、「アップルの自動車市場参入は良い考え」と述べています。iCarの可能性を否定しなかったんですね。

何より、テスラはかつてグーグルのOS「アンドロイド」の搭載を検討したものの、当時は「時期尚早」と判断し見送ったと吐露したんです。

さらに数年先に、「テスラは自律駆動( autonomous driving function)を可能する最初の自動車となる」とも断言。グーグルが人工知能と収集・蓄積したデータで可能とする自動運転(self-driving)とは一線を画し、航空機の自動操縦(autopilot)に近い運転手に制御を任せるスタイルとなるんだそうな。こうした発言を聞いていると、アップルとタイアップして自動車の未来を変える新機軸を生み出すかも!?オスカー俳優ジョージー・クルーニーから辛口批判を受けた当時、応酬に使ったキーワードはiPhoneだっただけに、想像していまいます。まぁ、その前にギガファクトリーでアップルと手を組むかももしれず、今後の明らかに詳細で具体像が浮かび上がってくることでしょう。

いやはやテスラ、創立からわずか10年余りで時価総額が約257億ドルとGMの約580億ドルの半分に近い水準へ膨れ上がるはずですね。

【追記】
3月4日、テスラは声明で欧州に30ヵ所のサービスセンターおよび店舗を新設すると発表しました。また欧州と日本での販売台数は今年、北米の2倍になると大胆な予想を展開しています。欧州ではドイツ、スイス、ベルギー、デンマーク、アジアでは日本のほか中国での販売を予定しており、ますますテスラの快進撃から目が離せませんね。

(カバー写真 : Getty Images)

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