今年も、ファッション界からセプテンバー・イシュー=9月号の話題が届けられつつあります。9月号といえばファッショニスタにとって、秋・冬物の新作・トレンドを告げる使者。各ファッション誌は、1年で最も分厚く重く、華麗にニューズスタンドをにぎわせます。
モード史の女王アナ・ウィンター率いる2007年のVOGUE9月号は、広告ページが過去最高の727ページ!!全体では840ページにおよび、その重さは何と2kgを超えたという伝説を作りました。
↓1000ページを有する電話帳並み、というわけです。手がちぎれる!!
2007年といえばサブプライム発の金融危機が吹き荒れる前夜。当時の米景気はまだまだ元気だったせいか、VOGUEは当時ShopVogueTVというビデオ・オンライン・ショッピング・チャンネルを立ち上げてましたっけ。
ところが一転して、2007年12月に景気後退入りし、リーマン・ショックにもたたられ、モードの世界にも氷河期が訪れてしまいます。VOGUEも2007年に過去最高の724ページを実現した後、2008年には700ページを割り込み、ついに2009年には450ページ以下へ転落してしまいました。
↓映画セプテンバー・イシューを封切ったとはいえ、09年はアナにとってもさぞかし寒い年になったことでしょう。
翻って今年。米景気と労働市場の回復に支えられ、VOGUEの9月号の広告ページは前年比で24%増の532ページに。2008年には届かずながら、底打ちがみられます。
ウォールストリート・ジャーナル紙も20日付け、ファッション広告の復活 を報じてました。VOGUEを含む15誌中、12誌が前年比で9月号の広告ページを増加させたんですって。出版情報局によると、秋に毎年秋口に新型モデルを投入する自動車の広告が特に目立ったそうです。
↓WSJ紙からグラフを拝借。ごらんの通り昨年からは、回復してます。
秋号ながら、雑誌広告には春の芽吹きが感じられております・・・が、ここにきて米国の消費動向には息切れ感がぬぐえません。米6月小売売上高は前月比-0.5%となり、2カ月連続でマイナスに落ち込みました。さらに以前にもお伝えしましたが、NYで言いますと財政難から服飾関連への消費税 が新たに課されます。これで、さらに欧州並みの付加価値税(VAT)なんかまでのしかかったら 、たまったものではありません。
欧州ソブリン問題もあって、ヨーロピアンの皆さんの消費動向も、拡大するとは言いがたく。ギリシャに始まり、スペインやポルトガルなど過剰な財政赤字を抱える国を筆頭に(ドイツ、フランス、イタリアは限定的ですが)財政緊縮案を成立させており、まわりまわって庶民の財布を直撃するリスクは否定できません。
↓VOGUEポーズを余裕で決められたのも、今は昔。
東京からの短期出張者がニュージャージー州にある有名アウトレット、ウッドベリー・コモンズを訪れた際に「すごいですよ、中国人が買い漁ってて棚から商品が消えちゃうほどなんです」と報告してくれました。プラダも中国投資家の株式取得に絡んで、身売り がささやかれてましたしね・・・。米欧の消費者に元気がないなかでは、やっぱり中国マネーに頼るしかなかったりして。
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絶対ブルックリン!!ウォッカ