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米6月小売売上高、ヘッドラインで見えない実体とは

by • July 16, 2014 • Finance, Latest NewsComments (0)1928

June Retail Sales Have A Good Flip Side.

米6月小売売上高は前月比0.2%増にとどまり、市場予想の0.6%増より弱い結果となりました。前月の0.5%増(0.3%増から上方修正)を下回り、5ヵ月連続で増加したなかで最小の伸びだったんです。

内訳をみると、13カテゴリー中9項目が増加。前月の8項目を上回りつつ、自動車を除いた場合でも0.4%増と市場予想の0.5%増を下回っていました。

(主なマイナス項目)
・自動車→0.3%減と5ヵ月ぶりに減少に反転
・建築材→1.0%減と4ヵ月ぶりに減少に反転
・外食→0.3%減と減少に反転
・家具→0.1%減と2ヵ月連続で減少

(主なプラス項目)
・服飾→0.8%増と増加に反転
・スポーツ衣料と0.6%増と増加に反転
・電化製品も0.1%増と増加に反転
・一般雑貨→1.1%増と増加に反転(百貨店も前月の1.1%減から0.2%増)
・オンラインを含む非店舗→0.9%増、2ヵ月連続で増加
・食品・飲料は0.4%増で3ヵ月連続で増加
・ガソリン・スタンドは0.3%増と3ヵ月連続で増加

あれ?と思われたあなた。そうなんですよね、小売売上高はそれほど弱い内容でないように見受けられます。今回の小売売上高の弱含みについて、モルガン・スタンレーのテッド・ウィーズマン米エコノミストが謎解きしてくれていました。いわく「6月新車販売台数が年率1680万台と8年ぶり高水準だったことを踏まえると自動車は本来1.0%増と試算されるが、季節調整を背景に0.3%減だった」そうです。何より、コア小売売上高(自動車、ガソリン、建築材を除く)が予想を上回る0.5%増だった上「過去分も4月は0.4%増から0.6%増、5月も0.1%増から0.4%増へ上方修正された」ことから、ヘッドラインが示すより強い内容だったと評価。4-6月期の消費は「従来の1.4%増から1.9%増へ、同国内総生産(GDP)予想も合わせて従来の3.2%増から3.5%増へ上方修正する」とまとめていました。

新車販売台数は、Sワード効果もあって快進撃を続けます。
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(出所 : Autopten)

ただし・・・同日発表された米5月企業在庫が予想以下だったためGDP予想に冷や水を浴びせられています。

バークレイズのディーン・マキ主席エコノミストは、米6月小売売上高の結果と合わせ「4-6月期GDPの予想を従来の4.0%増から3.0%増へ下方修正する」とコメント。仮に同エコノミストの予想通りとなれば1−3月期GDPが2.9%減だった事情もあり、上半期の成長率は横ばいとなる見通しです。つまり、下半期に成長が大幅加速しない限り6月時点の予想「2.1-2.3%」の達成は困難とみられます。下半期について、ディーン主席エコノミストは「7-9月期と10-12月期は2.5%」で維持していました。今年の成長率3%超えのハードルは、非常に高いと言えるでしょう。

(カバー写真 : sdmomsblog)

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