LVMH Felt The Pinch Of Japan’s Sales Tax Hike.
ルイ・ヴィトンをはじめセレブ憧れのラグジュアリー・ブランドを傘下に収めるLVMH、24日の欧州株引け後に決算を発表しました。
LVMHが24日引け後に発表した1-6月期決算では、継続事業ベースの利益が前年同期比5%減の25億8000万ユーロでした。減収だっただけでなく、市場予想の27億6000万ユーロにも届かず。売上高は3%増の140億ユーロながら、市場予想の142億ユーロを下回りました。既存事業売上高も5%増と、市場予想の6%増以下に。粗利益率は18%と、市場予想の19.5%に及んでいません。
【部門別の既存事業ベース売上高】
ファッション・革製品 4%増<市場予想の7%増
時計・宝飾 3%増<市場予想の5%増
精選品(空港免税店を含む) 9%増<市場予想の9.8%増
ワイン・酒類 1%減>市場予想の2%減
香水・化粧品 6%増>市場予想の5%増
全体的にみて、高額商品が振るいませんでした。2013年通期の伸びと比較すると、減速は歴然としています。
【国・地域別の売上高】
日本:1−3月期 32%増 4−6月期 11%減 1−6月期 11%増
米国 : 1−3月期 5%増 4−6月期 6%増 1−6月期 6%増
アジア : 1−3月期 4%増 4−6月期 3%増 1−6月期 3%増
欧州 : 1−3月期 1%増 4−6月期 0% 1−6月期 1%増
日本の消費税8%効果、ビフォア・アフターは一目瞭然!
(出所 : LVMH)
▽2013年通期
日本 10%増
米国 9%増
アジア 13%増
欧州 2%増
【国・地域別売上高のシェア】
▽1−6月期
アジア(日本除く) 31%
米国 23%
欧州(仏除く) 18%
フランス 10%
日本 7%
その他 11%
▽2013年
アジア(日本除く) 30%、2012年の29%から上昇
米国 23%、2012年と変わらず
欧州(仏除く) 19%、2012年と変わらず
フランス 11%、2012年と変わらず
日本 7%、2012年と変わらず
その他 10%、2012年の11%から低下
LVMHが決算資料で「1-3月期に非常に強い結果を示した日本以外は、トレンドに沿った売上を計上した」と説明したように、やっぱり消費税が4月に5%から8%へ引き上げられた影響は大きかった。思い返せば、エルメスが7月18日に発表した決算も売上高が5.8%増の19億6300万ユーロ。伸び率は1-3月期(第1四半期)の10%増、前年同期の12%増から大幅に減速してましたよね。特に日本の売上高が6.9%減と顕著でした。
もうひとつの押し下げ要因は、中国。特にワイン・酒類の落ち込みの主犯格と考えられます。コニャックが1%減と足を引っ張っていたのは、贅沢禁止令や汚職取り締まり強化の煽りでしょうから。そういえばレミー・コアントローも4-6月期(第1四半期)決算で、売上高は19%減の2億1480万ユーロでした。敗因はLVMHと同じくコニャックで、中国が足を引っ張っていたといいます。
アルノー最高経営責任者(CEO)は結果をクールに受け止め、下半期に向け「見通しに自信をもつ」と従来の見方を貫いていました。足元で米国の景気が鈍化しつつあり、日本も消費税引き上げ後遺症に不安が残り、中国の景気支援策がどこまで高級消費を下支えするか不透明。下半期はクリスマス商戦も加わってきますが、挽回できるでしょうか。
(カバー写真 : LVMH)
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