Economists Cut GDP Outlook Based On A Weak July Retail Sales.
米7月小売売上高は前月比±0増にとどまり、市場予想の0.2%増より弱い結果となりました。前月の0.2%増を下回り、増加トレンドを5ヵ月連続でストップさせています。
内訳をみると、13カテゴリー中8項目が増加。前月の9項目を下回り、自動車を除いた場合でも0.1%増と市場予想の0.4%増に届いていません。
(主なマイナス項目)
・自動車→0.2%減、2ヵ月連続で減少
・家具→0.1%減、3ヵ月連続で減少
・電気製品→0.1%減、4ヵ月連続で減少
・総合小売→0.5%減、前月の0.4%増を打ち消し
・オンラインを含む非店舗→0.1%減、3ヵ月ぶりに減少
(主なプラス項目)
・その他小売→0.9%増、3ヵ月連続で増加(ただし百貨店は0.7%減、3ヵ月連続で減少)
・服飾→0.4%増、2ヵ月連続で増加
・健康→0.4%増、増加トレンドを維持
・食品・飲料→0.3%増、4ヵ月連続で増加
・スポーツ衣料→0.2%増、2ヵ月連続で増加
・建築材→0.2%増、4ヵ月連続で増加
・外食→0.2%増、3ヵ月連続で増加
・ガソリンスタンド→0.1%増、前月の0.8%減から反転
今回の結果を受け、JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは「ヘッドラインが予想より弱かった上に、コア小売売上高(自動車、ガソリン、建築材、食品を除く)が0.1%増と小幅にとどまった」と指摘。またコア自体も「5月が0.2%増から0.1%増、6月も0.6%増から0.5%増へ下方修正された」ことから、米4-6月期国内総生産(GDP)改定値の予想を「従来の3.9%増から3.8%増」へ下方修正していました。バークレイズのマイケル・ギャピン米エコノミストは、7−9月期GDP予想も「2.5%増から2.4%増へ変更」しています。
小売売上高は、ヘッドライン通り失望的な結果に。
(出所 : CNBC)
同日発表された米6月企業在庫は市場予想と一致し、0.4%増でした。しかし結果を踏まえJPモルガンのシルバー氏は、在庫投資が4−6月期GDP速報値の前期比年率で930億ドルから「670億ドルへ下方修正されるだろう」と予想。従って、米4−6月期GDP改定値は「米7月小売売上高後の3.8%増から3.6%増へ引き下げる」とまとめています。
米1−3月期GDPが2.1%減、米4−6月期GDPが仮に速報値通り4.0%増だったとして、上半期の成長率は約1.0%増。ということは、下半期の成長率が2%弱であれば米連邦公開市場委員会(FOMC)6月時点の予想を達成する公算となります。早期利上げシナリオの可能性を後退させつつ、2015年半ばの利上げが視野に入る水準というワケですね。
ただし本日の米株上昇がハト派寄りな金融政策を織り込んだのであれば、早計かもしれません。20日にはタカ派へにじり寄った7月FOMCでの議事録の公表、そして21日のイエレンFRB議長のジャクソン・ホール講演で、あらためて出口戦略への姿勢が注目されますから。
(カバー写真 : Nicholas Eckhart)
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