June Home Price Index : Moderation Continues.
米6月S&P/ケースシラー住宅価格指数(季節調整前)は前年同月比8.07%上昇の172.33となり、市場予想の8.4%より弱い結果となった。2年1ヵ月連続でプラス圏を保ちつつ、伸び率は前月の9.37%を下回り、13年2月以来の10%割れを維持。前月比は0.97%の上昇と、3ヵ月ぶりに1%を割り込んだ。季節調整済みの前月比は0.21%の低下。市場予想の0.1%の上昇を下回っただけでなく、前月の0.26%に続き2012年1月以来のマイナスを保つ。
季節調整済みでは、前月比で13都市が低下。5月の14都市から減少した。特にミネソタ州ミネアポリスが2.26%の低下となったほか、ミシガン州デトロイトも1.65%の低下、ジョージア州アトランタが次いで1.47%の低下と弱い。一方で上昇率トップは前月に続きネバダ州ラスベガスで0.76%、2位はオレゴン州ポートランドで0.20%、3位はワシントン州シアトルで0.17%だった。
季節調整前の前年比を20都市別でみると、トップは前月に続きネバダ州ラスベガスで15.21%、2位も足元の流れを受け継ぎカリフォルニア州サンフランシスコで12.90%、3位も前月と同じくフロリダ州マイアミで11.54%だった。そろって前月から、伸び率を縮めている。
伸びが鈍化してきたとはいえ、マンハッタンで5000万円の物件だとキッチンはこの程度。
(出所 : Streeteasy)
米住宅金融公社(FHFA)が発表した米6月住宅価格指数は前月比0.4%となり、市場予想の0.3%より強い結果となった。前月の0.2%(0.4%から下方修正)を上回り、7ヵ月連続でプラスを示した。前年比で5.1%の上昇にとどまり、前月の5.3%を下回って足元最低の伸びに終わっている。国勢調査ベースの9地域別では4地域で上昇し、前月の6地域を下回った。
なおこの住宅価格指数は、S&Pケース/シラー住宅価格指数とは対象が異なる。米連邦住宅貸付機関監督局(OFHEO)傘下のFHFAの場合はプライム層向けの住宅価格がメインで、融資額が政府保証機関(GSE)の買取基準額を超えるジャンボローンや、低所得者層向けのサブプライムを含んでいない。従って数字自体は現状より強めの数字が出ると言われている。こうした背景からFHFAは2011年6月分から、フレディマックやファニーメイなどGSE以外のローンを含んだ住宅価格指数を拡大版として、公表を開始した。
以上、住宅価格の指数はマチマチな結果でしたが、住宅価格指数の減速は明らか。S&P/ケースシラー住宅価格指数をみると、季節調整済みの前月比で上昇した都市は20都市中で7都市と、数年前まで全都市だった当時と様変わりしています。FHFAの住宅価格指数は前月比で予想を上回ったとはいえ、地域別では大西洋南部や太平洋など上昇した地域の伸び率が高かった程度で下落した地域が増えていました。
結果を受け、エコノミストは「住宅価格が2014年に前年比7−8%上昇するとの当方の予想を下回る可能性が強まってきた」と振り返っていましたっけ。米7月新築住宅販売件数は2ヵ月連続で減少しており、住宅価格はまだ鈍化余地がありそうです。2014年6月時点で住宅価格指数の全米平均は2004年の秋頃の水準を回復しつつ、2006年のピーク時を17%下回る状況。低金利で需要が復活するかが、今後のカギを握ります。
(カバー写真 : AP)
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