アイオワ州とニューハンプシャー州という、保守派とリベラル寄りという全く文化も歴史も異なる州で2連覇を果たした、ミット・ロムニー共和党大統領候補。弾みをつけて、21日のサウスカロライナ州も落としておきたいところでしょうね。しかもこちらで指摘されていたように、イデオロギーが相反する両州を落としたのは、1976年に現職で敗れたジェラルド・フォード大統領(当時)以来の、快挙だったなんて!!「ロムニー以外なら誰でも(Anybod7 but Romney)」なんて保守派から忌み嫌われるロムニー候補者だったところが、神様の悪戯というか、現代社会の皮肉というか・・・おもしろいです。
反対にガチガチ保守派でアイオワ州では2位に躍り出たリック・サントラム候補をはじめ、対立候補はロムニー下ろしをねらって刃を研いでおりますね。対立候補によるロムニー批判は、ニューハンプシャー州での討論会より舌鋒鋭くなることでしょう。
ご存知のとおり、ロムニー陣営は自身の20年間の民間企業での経験を盾に、「アメリカには経済立て直しに企業の専門家が必要だ」、「10万人の雇用を創出した」とのキメ台詞で他候補者を斬りつけます。しかしロムニー陣営は、あまりにも武装が足りないんです。
ロムニー側はBain & Companyというコンサルティング会社に入社した経歴を軸に雇用創出を高らかに歌い上げますが、逆に反対陣営側にとっては、絶好の攻撃材料なんですね。だって株主利益を追求するために合理化を推奨してきた会社なので、当然ながら企業再編に雇用を削減に力を注いだこともあるわけですよ。ロムニー本人は雇用の創造者と主張する一方で、反対勢力は雇用の破壊者だと、真っ向から対立するはずです。ニューヨーク・タイムズ紙は、プライベート・エクィティ業界がロムニー候補のおかげで、「ハゲタカ批判」が巻き起こり迷惑をこうむっていると報じてました。
↓エコノミスト誌は特集号で、プレジデントではなく「America:s New CEO?」と問いかけます。
1984年から1999年までBain & Companyを率いた男が、この曲をもじってMr. Vainとして非難の矛先を向けられのも時間の問題かしら・・・。
Mr. Vain とは、90年代にクラブキッズだった方ならご存知の、あの名曲。今でもダンスフロアでスピンされるほどの、定番です!!!
今振り返って歌詞をみると、味わい深いんですよね。冒頭に女性のフックで「Call him Mr. Raider, call him Mr. Wrong Call him Mr. Vain~♪」⇒「彼は乗っ取り屋、悪行の権化、虚栄心の塊よ」って、まるでロムニーのライバルである共和党候補の断罪みたいです!!女性のフックに応じるラップがまた、笑っちゃう!!
「Girls are all over the world
They hope and pray and die for man
Like me cause I’m the one
Begotten son that breaks the mold」
⇒世界中の女達は、俺みたいな男を求め命を捧げることを望んでるんだ
俺みたいに、古い殻を破り新しきを創造する選ばれし男を。
↓男女デュオのカルチャー・ビート。まさかハゲタカ・ファンドの歌を作っていたとは(笑)
家族思いのロムニー候補は女性を求めはしませんが・・・確かに当時は新たなスタイルを確立し、エコノミスト誌によるとBain & Companyの資本を3700万ドルから5億ドルへジャンプアップさせてました。今のところ、この手腕がアメリカ人を惹きつけているのか、Mr. Vainの烙印を押されず1位を独走中。サウスカロライナ州でも、予備選まで約1週間半の段階で37%です。ロン・ポール候補とサントラム候補はそろって2位の16%で、12月にリードを奪ったはずのギングリッチ候補は12%という体たらく。雇用破壊者とののしられても、どこ吹く風です~。
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