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米11月小売売上高、ホリデー商戦の数字とかい離し好調

by • December 11, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off1968

November Retail Sales Jump, On The Contrary To Thanksgiving Day Weekend Results.

米11月小売売上高は前月比0.7%増となり、市場予想の0.4%増を上回った。前月の0.5%増(0.3%増から上方修正)と合わせ、2ヵ月連続で増加。ホリデー商戦が開幕した11月は、雇用回復と約4年ぶりの水準に下落したガソリン価格に刺激され8ヵ月ぶりの高い伸びを遂げている。

内訳をみると、13カテゴリー中11項目が増加。前月の10項目を上回った。自動車を除いた場合も0.5%増と市場予想の0.1%増を超え、前月の0.4%増(0.3%増から上方修正)を含め2ヵ月連続でプラスを示した。

(主なプラス項目)
・自動車→1.7%増、前月の0.8%増を含め2ヵ月連続で増加し過去6ヵ月間で4回目の増加
・服飾→1.2%増、前月の0.6%増を含め過去6ヵ月間で5回目の増加
・建築材→1.4%増、前月の0.4%増を含め過去6ヵ月で4回目の増加
・オンラインを含む非店舗→1.0%増、前月の1.6%増を含め過去6ヵ月間で5回目の増加
・電気製品→0.9%増、前月の1.0%減から反発し過去6ヵ月間で4回目の増加

・健康→0.8%増、前月の0.2%増を含め増加基調を維持
・外食→0.7%増、前月の1.4%増を含め7ヵ月連続で増加
・一般小売→0.5%増、前月の0.1%増を含め過去6ヵ月間で5回目の増加(*百貨店は1.0%増、4ヵ月ぶりにプラス反転)
・家具→0.5%増、前月の0.7%増を下回るも過去6ヵ月3回目の増加
・食品・飲料→0.3%増、前月の0.2%増を含め4ヵ月連続で増加
・スポーツ衣料→0.3%増、前月の0.6%増を含め6ヵ月連続で増加

(主なマイナス項目)
・ガソリンスタンド→0.8%減、前月の1.3%減を含め4ヵ月連続で減少
・雑貨類→1.7%減、前月の1.3%増から転じ過去6ヵ月で2回目の減少

大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、国内総生産(GDP)に反映されるコア小売売上高(自動車、燃料、建築材を除く)が0.6%増と強い伸びを示したため、「感謝祭やブラック・フライデーなどホリデー商戦の開幕は不振が伝えられたものの、蓋を開けてみれば消費者が財布の紐を緩めていたことが分かる」と振り返った。

モルガン・スタンレーのテッド・ウィーズマン米エコノミストは、エネルギー省のデータを元に「2013年の世帯当たりガソリン支出は平均価格3.50ドルのところ、2600ドルだった」と指摘。翻って現在、全米自動車協会(AAA)によると12月10日時点のガソリ平均価格は2.62ドルで、9月平均を80セント下回っていた。先物動向では1月に2.30ドルへの下落が見込まれるため、潜在的にガソリン価格は33%下落することになる。以上を勘案すると、「購買力は1世帯当たり850ドル相当押し上げられる」計算となり、年末から年明けにかけ消費拡大が期待できる。

ゴールドマン・サックスは今回の結果に加え過去2ヵ月分のコア小売売上高が0.3%ポイント上方修正されたことから、米10−12月期GDP予想を従来の2.5%増から2.6%増へ上方修正。バークレイズも、予想通りだった米10月企業在庫と合わせ米10−12月期GDP予想を従来の2.0%増から2.2%増へ引き上げた。

——以上、米11月小売売上高はガソリン価格の下落という追い風に乗って舞い上がりました。全米小売業協会(NRF)の数字とは正反対に、ホリデー商戦が好調なスタートを切っていたようです。米11月新車販売台数が2003年以来の高水準だったところ、他の支出にしわ寄せがいかず百貨店や服飾の伸び率が1%台だったのも心強い。

ひとつ気掛かりなのは、今年のホリデー商戦が前倒しで展開されていたこと。例えば、ウォルマートはブラック・フライデーの1週間前にあたる11月21日からセールを開始していました。女性下着ブランド”ビクトリアズ・シークレット”を抱えるLブランズの11月既存店売上高が前年同月比8%増と市場予想の4.1%を超え、ギャップの既存店売上高が6%増と市場予想の1.6%減から予想外の躍進を果たしたのも、販促キャンペーンが奏功したといえます。

我が家にも、ホリデー商戦前から割引クーポンが届いてました。
discount
(出所:My Big Apple NY)

リテール・メトリックスが9日に発表した米11月既存店売上高(ドラッグストアを除く)は前年同月比5.2%増と、市場予想の3%増を上回っていました。ただし一部のアナリストは「ブラック・フライデーを待たずに値引きに踏み切ったため、ブラック・フライデー前の週に売上高が例年とちがって増加していた」と指摘しています。値引き効果がはく落するのか、好調を維持するのか、12月の数字が待たれます。

(カバー写真:Ron Antonelli/Bloomberg)

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