After Thinking Outside The ‘Box’, Cloud Storage Company Shares Surge in Market Debut.
クラウド・ストレージ大手ボックスがニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場を果たしました。ティッカー”BOX”の新規株式公開(IPO)価格が14ドルと仮条件の11−13ドルを上回ったように、需要は旺盛で65.9%高の23.23ドルで引け。世界最大規模のIPOを記録したアリババの初日が38%高の93.89ドルでしたから、上々な滑り出しですよね。
1250万株を放出した結果、資金調達額は1億7500万ドル。時価総額は、その時点で約16億ドルとなります。今年最初の大型IPOまでの道のりは、長かった。2014年3月24日にIPO申請を実施し早ければ4月にもすわ上場かとの期待を煽ったものの、同年5月に市場環境の変化を受けて延期を決定していたのです。10ヵ月待ったかいあって華々しいスタートを飾り、弱冠29歳の最高経営責任者(CEO)、アーロン・レビー氏もさぞかしご満悦でしょう。
ちなみにアーロン・レビー氏も、テクノロジー業界ではご多分に洩れず大学中卒者なんです。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOはハーバード大学でしたが、レビー氏は南カリフォルニア大学に在籍しておりました。
レビーCEO、故スティーブ・ジョブズ氏やビル・ゲイツ氏ような大物に変身?
(出所:Aaron Levie/Twitter)
主幹事はモルガン・スタンレー、クレディ・スイス、JPモルガンが務めました。すべてアリババの実績をもち、モルガン・スタンレーはフェイスブックでも担当していましたよね。
ボックスの実像に迫ってみましょう。2005年にレビーCEOと友人のディラン・スミス最高財務責任者(CEO)が創業。利用者数は3200万人を数え、その99%がP&Gをはじめフォーチュン誌が選ぶ全米上位500社にランクインするような大企業の従業員というからすごい。例えば書類にタブレットにサインしてプロジェクトを効率的に進めたり、X線写真など患者のデータを管理できるため、診察時間の短縮につなげることができるんですよ。
業績はというと、8—10月期の純損益は4540万ドルで前年同期から赤字を12%縮小させています。ただしマーケティングなど費用削減に加え売上鈍化が挙げられ、8−10月期は70%増にとどまり5−7月期の81%増から縮小していました。10月までの9ヵ月間で、売上高は80%増の1億5380万ドル。純損益は1億2150万ドルで、前年比とほぼ変わらずです。
持ち株比率は、ベンチャー・キャピタル大手のドレイパー・フィッシャー・ジャーベットソンが19.2%となり、レビーCEOは3.4%、レビー氏の友人であるスミスCFOは1.5%となっています。
ライバルはドロップボックスのほか、アップルのiCloud、グーグルのグーグル・ドライブ、マイクロソフトのワンドライブなどが挙げられます。調査会社IDCがクラウド・ストレージ業界の成長が向こう5年で23%増と予想するだけに、パイ争いが激しさを増しております。
(カバー写真:NYSE)
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