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ISISが湯川さん殺害の写真投稿、各メディアはトップで報道

by • January 25, 2015 • Latest NewsComments Off5211

How Major Media Reported The Tragedy Of Hostages From Japan.

オバマ米大統領は20日の一般教書演説で「新たな1ページを開こう」と語りかけましたが、日本は歴史の1ページに残る苦渋の決断を強いられています。

イスラム国(iSIS)に拘束された日本人の湯川遥菜さんが無惨に殺害され、残った後藤健二さんの姿がネットで配信されてしまいました。変わり果てた湯川さんらしき姿を捉えた写真、それを掲げる後藤さんの画像は日本をはじめ世界中に大きな衝撃を与え、CNNやウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙はもちろん、2014年9月の国連安全保障理事会でイランとともにシリア領内でのISISに対する空爆に反対したロシアのRT英語版など、各サイトのトップ・ニュースとして報じています。

それぞれの扱いは、ご覧の通り。

cnn

wsj

rt

(出所:CNN、WSJ、RT)

身代金を取り下げヨルダンで死刑判決を受けたサシダ・リシャウィ被告の解放を求めるISISに対し、安倍首相はヨルダンのアブドラ国王と電話協議をもったと報道。WSJ紙は中東において日本が「政治的な関与が薄く、海外諸国に支援を要請せざるを得ない」と分析し、「憲法第9条の改正を検討する過程で政府高官は海外でのインテリジェンス部門を強化する案を検討せざるを得ないだろう」と結んでいました。

RTは、ツイッターで後藤さんの動画写真を掲載。CNNは、米国安全保障会議が後藤さんの動画を視聴したと報じた上で信ぴょう性を確認中と伝えていました(残念ながら、すでに日本では安倍首相が湯川さんの殺害写真が本物にであるとの判断を下していましたね)。過去に中東で人質になった日本人の例も挙げ、解放されたケースもあったとしつつ「日本政府は誘拐という悪徳商法が連鎖しないよう、身代金を支払ったかどうか明らかにしたことはない」とも報じています。

緊迫が続くなかで、デイリー・ドットは日本のいわゆる”ISIS クソコラ・グランプリ”を取り上げ、日本でもピンと張った空気を緩和する”コミック・リリーフ”として大いに役立っているようですね。コメント欄では安否を気遣う方々のほか「よし、いよいよガンダムの出番だ」などとジョークで応じる方だけでなく、「イスラム教は日本で非合法化されている」というあり得ないガセを振りまいた投稿者も。これには諌める方が多く確認でき、日本人として筆者は安堵したものです。母親である石堂順子さんの記者会見に対し「人質の両親は、絶対メディアに出て命乞いしちゃダメだよ!死亡証明書を手渡すようなものなんだから」と冷静に批判している方も見受けられました。

オバマ米大統領は悲報を受け、ホワイトハウスから湯川さんの死に哀悼の意も表明。ホワイトハウスから声明で「日本という同盟国と協力」し「断固たる行動をとる」との見解を示していました。安倍首相は、自身の中東訪問中に身代金2億ドル(約235億円)を要求し結局は湯川さんの命を奪ったISISに「言語道断の許し難い暴挙」と辛辣な言葉を浴びせていましたが、手持ちのカードは限られていることでしょう。今後の日本への影響と国際政治バランスを踏まえ、極めて困難な舵取りが迫られています。

(カバー写真:CNN)

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