Coinbase Lauches The First U.S. Regulated Bitcoin Exchange.
仮想通貨ビットコインの取引所”コインベース・エクスチェンジ”がアメリカで26日、産声を上げました。
ビットコインの口座管理・決済サービスを提供する新興企業コインベースが、取引所を運営します。同社は2012年に創業し、2013年12月にはシリコンバレーの大手ベンチャー・キャピタル(VC)アンドリーセン・ホロウィッツから2500万ドルの出資を獲得したことで話題になりました。前週には、ニューヨーク証券取引所(NYSE)やシティグループの前最高経営責任者(CEO)であるビクラム・パンディット氏から7500万ドルの支援も受けたと発表。出資総額は1億600万ドル(約125億円)、15社に及びます。
ビットコインといえば、2013年11月29日に1145ドルに達し時代の寵児のようにもてはやされましたよね。そこから、転落が始まります。東京を拠点とするマウント・ゴックスを舞台としたビットコイン消失と経営破綻を背景に信頼が覆され、売りが売りを呼ぶ展開に。今月初めにはスロベニアのビットコイン取引所ビットスタンプがハッカー攻撃に遭い、ビットコイン1万9000枚、540万ドル相当を失ったとニュースまで飛び出す始末。足元は約260ドルと、ピーク時から約80%も急落していまいました。
過去1年間にわたり、ゆるやかな下り坂をたどるビットコイン。
(出所:Coinbase)
それでもコインベースは19カ国で220万人を顧客を有し、3万8000件に及ぶ小売店での決済も可能にし、着実にビジネスを広げていたのです。今ではオンライン旅行サイトのエクスペディアやネット小売のオーバーストックのほか、マイクロソフト、ペイパルでも利用できるようになりました。根強い人気を保ち、出資者にも恵まれ、米国で取引所を誕生させるに至ったのはニーズの表れとも言えます。
ただし取引所を利用できる国は現在のところ、米国のみ。米国内でもニューヨーク州やカリフォルニア州など24州に限られており、段階的に海外へ進出していく予定だといいます。
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙のインタビューで、コインベースの最高経営責任者(CEO)であるブライアン・アームストロング氏は、ライセンス取得に向け各州の規制当局と約1年にわたって調整してきたと明かします。つまり、本来のビットコインの綱領から逸脱し、政府当局の関与を受けずに済むという特典を放棄したんですね。マウント・ゴックスをはじめ一連の不祥事がありましたし、取引所運営には妥協が必要だったのでしょう。
弱冠32歳のアームストロングCEO、夢は大きく「世界最大の取引所を目指す」。仲介料は0.25%で、3月末までは無料の”コインベース・エクスチェンジ”は、どこまで顧客を採掘していくことができるのでしょうか。
コインベースは順調に船出したものの、おちおちしていられません。フェイスブック立ち上げに関わったハーバード大卒の双子、キャメロン、タイラー・ウィンクルボス兄弟もビットコイン・ビジネスを推進中。両氏が立ち上げるビットコイン取引所”ジェミニ(Gemni)”はニューヨーク州公認の銀行とタッグを組んでいるため、米連邦預金保険公社(FDIC)に加盟している都合上、預金保険の対象であることが魅力なんです。ウィンクルボス両氏はこう断言します——「ビットコインの下落局面は、押し目買いのチャンスだ。僕ら売ったことなんてない」。ビットコインに連動する上場投資信託(ETF)の承認待ちも控え、2人は仮想通貨への強気姿勢を崩していません。
(カバー写真:Antana/Flickr)
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