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米2月NFIB中小企業楽観度指数、求人件数は好調も伸び悩み

by • March 10, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2033

 NFIB Small Business Optimism Edges Up In February.

米2月NFIB中小企業楽観度指数は98.0となり、1月の97.9から若干の上昇を示した。ただ、市場予想の98.9には届かず。2006年10月以来の高水準でありリセッション前の平均値100を回復した2014年12月の100.4を境に、鈍化を続けた。なお同指数は、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表する労働市場情勢指数(LMCI)に含まれる。

発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、結果を受け「大寒波に見舞われたにも関わらず、中小企業は採用と支出に動いており求人件数は約9年ぶり高水準に達した」と評価する。景気回復過程において、これまでは大企業がけん引してきたものの改善の波が「中小企業にシフトしてきており、2月の結果は成長率などの統計に現れていくだろう」と自信を示した。

楽観度指数、リセッション前の平均値を回復した後は上昇一服。
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(出所:NFIB)

求人件数は、2006年3月以来の水準へ上昇。
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(出所:NFIB)

内訳をみると、12項目中プラス圏にのせた項目は7項目となり、発表元のダンケルベルグ主席エコノミストの楽観的な見方に反し前月の9項目を下回った。今回は、「経済がより良くなる」がゼロからマイナス圏へ落ち込んだほか、「販売価格の上昇」がゼロへ下振れしている。そのほか「雇用を増加させる」、「売上の拡大を予想」などが下向いた。半面「賃金の上昇させる」、「求人件数」は前月から上昇。特に「求人件数」は、2006年3月以来の高水準を遂げた。以下は、項目ごとの変化。

「求人件数」29%→ 前月の26%から上昇、6ヵ月平均は25%
「設備投資を拡大する」26%→前月と変わらず、6ヵ月平均は26%
「売上の拡大を予想」15%→ 前月の16%から低下、6ヵ月平均は13%
「賃上げ見通し」14%→前月の12%から上昇、6ヵ月平均は14%
「事業拡大に良いタイミング」13%→ 前月と変わらず、6ヵ月平均は13%
「雇用を増加させる」12%→ 前月の14%から低下、6ヵ月平均は12%
「在庫を増加させる」4%→ 前月の2%から上昇、6ヵ月平均は3%

「販売価格の上昇」0%→前月の3%から低下、6ヵ月平均は4%

「経済がより良くなる」−1%→ 前月のゼロから悪化、6ヵ月平均は3%
「在庫満足度」−2%→ 前月の−1%から低下、6ヵ月平均は−2%
「信用状況が緩和する」‐4%→ 前月まで2ヵ月連続で−5%、6ヵ月平均は-5%
「黒字トレンドにある」‐19%→ 前月と変わらず、6ヵ月平均は−18%

——米2月雇用統計・非農業部門就労者数が予想外に好調だった裏で、賃金の伸びは2008年11月以来の高水準だった1月から鈍化していました。NFIBがまとめた中小企業楽観度指数では賃金見通し、求人件数では好結果だったものの、「経済がより良くなる」と見方が悲観に傾いたのも事実。大企業がドル高圧力に直面するなかで、下請けをはじめとする中小企業にしわ寄せがいくリスクをはらみ、賃金見通しなどに変化が及ぶのは時間の問題と言えるでしょう。

(カバー写真:Department for Business, Innovation and Skills)

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