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米3月ミシガン大消費者信頼感は低下、1−3月期GDPは1%割れも?

by • March 13, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2660

Michigan Consumer Sentiment Falls To 4-Month Low, Q1 GDP May Go Below 1%.

米3月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は91.2となり市場予想の95.5を下回った。前月の95.4にも届かず、4ヵ月ぶり低水準。現況指数が103.0と前月の106.9以下にとどまったほか、見通し指数も83.7となりそれぞれ4ヵ月ぶりの水準へ減速している。

インフレ見通しは1年先が3.0%と、前月の2.8%を超え6ヵ月ぶりに3%の節目に乗せた。5年先も2.8%と、前月の2.7%を超え1月の水準へ戻している。ガソリン価格が2009年4月の低水準から切り返しをみせるなか2014年11月に2.6%でボトムアウトさせ、徐々に上向きつつある。

家計動向は、楽観的な見方が後退している。1年前と比較した家計現況指数は111と、前月の121から落ち込み4ヵ月ぶり低水準だった。「改善した」との回答が41と3ヵ月ぶりに低い水準だったほか、「悪化した」との回答も30と5ヵ月ぶりの高さを示す。

1年先の家計見通し指数も120と、4ヵ月ぶり低水準。「改善した」との回答が35と前月を1ポイント下回り、「悪化した」との回答にいたっては15と2014年9月以来の水準へ上振れした。

JPモルガンのマイケル・フェローリ米主席エコノミストは、結果を受けて「1−2年先の所得見通しは1.2%の上昇となり2月の1.0%を上回ったものの、1月の1.9%以下にとどまる」と指摘。ガソリン価格が下落を巻き戻しつつあるなかで、消費拡大余地が狭いリスクを示唆している。

——ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は、今週発表された経済指標と歩調を合わせ景気鈍化のサインを点灯させました。他ならぬアトランタ連銀も、景気楽観論に冷や水を浴びせています。

アトランタ連銀が発表した米1−3月期国内総生産(GDP)見通しは、0.6%増に過ぎません。何より衝撃的なことに前週の1.2%から半減させ、2月初めの予想1.9%を遥かに下回っています。

経済指標の悪化を背景に、1−3月期GDP予想を大幅に下方修正。
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(出所:Federal Reserve Bank Of Atlanta)

フィラデルフィア連銀の成長見通しは2月時点で1−3月期が3.0%増、2015年は3.2%増でした。2014年の2.4%増や2013年の2.2%増を大きく超え、金融危機後で初めて3%の分水嶺を突破すると見込まれていたものの、暗雲が立ち込めてきています。

各金融機関のエコノミストも米2月小売売上高など弱含みが目立つ経済指標に合わせ、続々と1−3月期見通しを下方修正してきました。

ゴールドマン・サックス 2.5%から2.2%増
JPモルガン 2.5%から2.0%増
クレディ・スイス 2.5%増から1.7%増
ムーディーズ 2.2%増から1.7%増
バークレイズ 1.8%増から1.5%増

米1−3月期GDP見通しの下振れを踏まえれば、FOMCメンバーの成長予想は2014年12月FOMC時点でのレンジを下方修正してくる可能性があります。インフレ見通しも、引き下げてくるでしょう。来週17−18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文から「忍耐強くなれる(patient)」の文言を削除し、マーケットに6月利上げ観測を織り込ませるかは微妙となってきました。6月16−17日開催のFOMCで利上げを断行するには、GDPのデータ不足という事情も潜みます。仮にフォワード・ガイダンスを削除したとしても、イエレンFRB議長率いるFOMCはハト派寄りの見解を強調し、6月利上げ警戒を後退させるよう配慮するではないでしょうか。お料理上手なイエレンさんなら、さじ加減はきっとお得意ですしね。

(カバー写真:Newton Free Library/Flickr)

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