US Private Sector Job Gains Hit Its Lowest Since January 2014.
米3月ADP全国雇用者数は前月比18.9万人増となり、市場予想の23.0万人増を下回った。市場予想値から4万1000人のかい離を示し、約4年ぶりで最大となる。前月の21.4万人増(21.2万人増から上方修正)にも届かず、2014年1月以来初めての20万人割れを示現。2010年2月以来の増加トレンドは保った。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。
ADP全国雇用者数、約1年ぶりの大台割れ。
(出所:ADP)
内訳は、以下の通り。
▽企業規模別
中小企業 17.0万人増>前月は16.0万人増、増加トレンドを維持
大企業 1.9万人増<前月は5.3万人増、4ヵ月連続で増加したなかで最も小幅な伸び
▽業種別
サービス業 18.4万人増<前月は19.2万人増、5ヵ月ぶり低水準に並ぶ
(米2月ISM非製造業景況指数の雇用は56.4と、前月の51.6から改善、3月分の公表は4月6日)
・専門/ビジネス・サービス(派遣を含む) 4.0万人増>前月は4ヵ月ぶり低水準の3.4万人増
・貿易/輸送/公益 2.5万人増<前月は3.2万人増、直近で最低
・金融 1.6万人増<前月は1.9万人増
財生産業 0.5万人増<前月は2.2万人増、2012年8月以来で最低
(米3月ISM製造業景況指数の雇用は前月の51.4から50.0へ減速し、2013年5月以来の低水準)
・製造業 0.1万人減<前月は0.2万人増、2014年1月以来の減少
・建設 1.7万人増<前月は2.8万人増、2014年4月以来で最低
ADPとともに統計を担当するムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ主席エコノミストは、結果を受けて「雇用の伸びは3月に減速し、原油安やドル高が響いた」と分析。ただし「全体的にみると、労働市場のたるみを吸収するに十分な速度を維持している」とまとめた。
JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、今回の結果を踏まえ「ADPと雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)速報値の整合性は低いものの、下方リスクが出て来た」とコメントした。同氏の米3月雇用統計・NFP予想は25.0万人増、民間就労者数は24.0万人増となる。ブルームバーグでの米3月雇用統計・NFP予想は、24.5万人増だった。
——米3月ADP全国雇用者数は2014年1月以来の20万人割れを迎え、原油安とドル高の余波がラグを伴って労働市場に波及しつつある様子を浮き彫りにしました。ゴールドマン・サックスのシナリオ通り、減速しつつあります。そのGS、ジャン・ハチウス主席エコノミストは利上げ開始予想を9月から「2015年終盤あるいは2016年初め」へシフト。当方が電話出演する”北野誠のFXやったるで!”でコメントさせて頂いた通り、3月27日のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長はハト派寄りな見解だったとはいえ、年内利上げを強調しておりマーケットの期待値に届かず。米株の上昇余地を限定的にさせたと考えられます。
(カバー写真 : Bromford/Flickr)
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