Goldman Sachs Q1 Revenue Hits 4-Year High Boosted By Massive Trading Activity.
ゴールドマン・サックス・グループが16日寄り前に発表した1−3月(第1四半期)決算で、純利益は前年同期比39.9%増の28億4400万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は5.94ドルとなり、市場予想の4.26ドルより強い。収入は13.8%増の106億1700万ドルで前期から増収に転じ、約4年ぶりの高水準を達成。アナリスト予想平均の93億5000万ドルも上回った。
▽主力の機関投資家サービス部門
収入は前年同期比22.8%増の54億5900万ドルとなり、2014年10−12月期の31億4900万ドルも上回った。債券・通貨・商品(FICC)トレーディング収入が10.0%増の31億3400万ドルで増収に転じ、債券市場のボラティリティに泣いた2014年10−12月期の12億1800万ドルでからも倍増している。特にスイスフランの上限撤廃を背景にボラが上昇したため為替事業が寄与し、信用・コモディティ商品・住宅ローン商品の減少を打ち消した。株式は170.2%増の31億3400万ドルとなり、2014年10−12月期の7億5100万ドルからも大幅増を達成。デリバティブ・キャッシュなど広範にわたって力強さを示しており、世界的な株価上昇や顧客活動の活発化に支えられた。トレーディング収入自体は30.4%増の42億5800万ドルとなり、2014年10−12月期の19億6900万ドルからも拡大している。
競合とFICC部門の収入を比較してみると、以下の通り。GSは2014年10−12月期に債券トレーディング収入の落ち込みが最大だったものの、今期は見事に挽回した。
バンク・オブ・アメリカ 6.8%減の27億4500万ドル
シティグループ 11%減の34億8000万ドル
JPモルガン 4.5%増の40億6500万ドル
ゴールドマン・サックス 10%増の31億3400万ドル
▽投資銀行業務
収入は前年同期比7.1%増の19億500万ドルと、2014年10−12月期の14億4000万ドルから増加した。合併・買収(M&A)など助言業務が40.9%増の9億6100万ドルとなり、2014年10−12月期の6億9200万ドルからも増加。潤沢なキャッシュと再編の波を背景に、米国ではセクター全般でM&A事業が活発化し、増収につながった。引き受け業務は14.0%減の9億4400万ドルと2期連続で減少、2014年10−12月期の7億4800万ドルは上回った。そのうち債券が37.8%減の4億1100万ドルと2期連続で減少し引き受け業務での前年比の伸びを押し下げた一方、2014年10−12月期の4億600万ドルからは増加。年内の利上げが視野に入るなかで、レバレッジド・ファイナンス(買収される側の資産を担保に借り入れて買収する仕組み)で特に落ち込みが目立った。株式は22.0%増の5億3300万ドルで、2014年10−12月期の3億4200万ドルを大幅に抜けた。新規株式公開(IPO)で減少した分を公募増資が支えたという。
▽投資・貸出部門
収入は前年同期比9%増の16億6900万ドルで、2014年10−12月期の15億3200万ドルからも増加した。株価上昇、私募増資(PIPE)を通じ株式で11億6000万ドルも計上している。債券では金利数入を背景に、5億900万ドルとなった。
▽投資管理部門
収入は前年同期比1%増の15億8400万ドルで、2014年10−12月期の15億7000万ドルも上回った。資産管理総額は1兆1800億ドルと、前期とほぼ変わらず。長期預かり資産は130億ドル増加、70億ドルの純増となる。
中核的自己資本(コアTier1)比率は12.6%と、2014年10−12月期の12.2%から上昇した。株主資本収益率(ROE)は14.7%となり2014年12月、同年9月末時点の11.2%を超え、2013年の11%も上回った。
営業費用は前年同期比6%増の66億8300万ドルで、前期の44億7800万ドルから増加した。非報酬費用が3%減の22億2400万ドルとなっており引当金や法務費用の縮小を反映した半面、報酬費用が11%増の44億5900万ドルと前期の19億5500万ドルからも増加。従業員数は5.5%増の3万4400人で前期の3万4000人からも増加しており、人件費拡大の一因となった。収入に対する割合は41.9%と、前年同期の43%から上昇。報酬費用で単純に計算した場合の従業員当たり給与は12万9620ドル(約1560万円)となり、2014年3月末時点の12万300ドルを上回った。
四半期配当を引き上げた。1株当たり0.60ドルから0.65ドルとし、6月29日までの同社株を保有していた投資家に対し7月15日に支払う。
ロイド・ブランクファイン最高経営責任者(CEO)は、決算資料にて「全ての部門が業績に寄与しており、マーケットの正常化や活発な顧客活動を踏まえると今後も継続的な成長が期待できる」と振り返った。
——1−3月期は、見事なカムバックを果たしました。マーケットのボラティリティ上昇で弾みをつけトレーディング部門で復活を遂げたほか、M&Aでも目覚ましい成績を上げています。ただし、NY市場の寄り付きまもなく株価は0.8%安。米3月住宅着工件数や米新規失業保険申請件数を嫌気したほか、ギリシャの格下げも響きあえなく売りに押されました。
(カバー写真:Russia Insider)
Comments
アメリカで最低年収、840万円の企業が出現へ! Next Post:
米新規失業保険申請件数、グッド・フライデー明けは増加