Dow Almost Wipes Out 2015 Gains.
米株は大幅安。ダウ平均は一時357.24ドル安の17748.53ドルまで下げ幅を拡大し、2週間ぶりの安値で引けています。年初来リターンは一時マイナスに反転する有様。終値で279.47ドル安まで下げ幅を縮小したため、なんとか10営業日連続でプラス圏を確保しました。
本日の売り要因は、以下の通り。
>米3月消費者物価指数(CPI)をはじめ、米経済指標が年内利上げをサポートする内容
>GE、ハネウェル、アメリカン・エクスプレスなどの失望を誘う決算
>中国が空売りを目的とした貸株を機関投資家に承認、”影の銀行”を通じた株式取得を狙う資金調達にメス
>ギリシャが4月20日にも資金枯渇との報道、同国財務省が声明を発表し火消しに動く
悪材料が次々に舞い込み、本日はS&P500の10セクターがそろって下落。裁量消費財が1.47%と最も下げ幅が大きく、次いでITが1.44%安、産業財も1.14%安、金融も1.34%安でした。中国関連では、iシェアーズ中国大型株ETFが4.2%安で引け。欧州株はブルームバーグが約2時間にわたってシステム障害が発生したことも重なり、独DAXが2.58%安、仏CACが1.55%安、英FTSEも0.93%安で取引を終えています。
S&P500、50日移動平均線を抜けてクローズ。
(出所:Stockcharts)
来週は米国の重要指標として22日の米3月中古住宅販売件数、23日の米3月新築住宅販売件数、24日の米3月耐久財受注などが控える一方、20日のモルガン・スタンレーやIBMを皮切りに怒濤の決算ラッシュを迎えます。その翌週の28−29日には米連邦公開市場委員会(FOMC)を予定することもあり、米株は早期利上げ回避を狙い催促相場の様相を呈するのか。米3月CPIなどを受け、予想外に絶好調だった米2月雇用統計を受け売りに傾き3月11日に約1ヵ月ぶりの安値に沈んだ相場展開にも注意したい。ダウ平均が3月23日以来の18200ドル乗せに失敗しS&P500も同日の高値を上抜けできずに崩れた点を踏まえると、4月後半の上昇説に反し下振れする余地が出てきたと言えるでしょう。
(カバー写真:Reuters)
Comments
米3月CPIはコアが2ヵ月連続で改善、年内利上げをサポート Next Post:
中国が預金準備率引き下げ、空売り解禁の影響緩和狙う?