Earnings Roundup : Biogen Idec, Xerox, American Airlines.
24日に発表された決算を振り返ります。バイオジェン、ゼロックス、アメリカン航空そろって売上高は予想以下に。足元のトレンドに沿いドル高による業績押し下げも確認しており、トップラインは芳しくありません。
▽バイオジェン
バイオテクノロジー大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比71.3%増の8億2250万ドルだった。減価償却費用などを除く希薄後の調整済み1株当たり利益は3.82ドルと、市場予想の3.91ドルより弱い。売上高は20%増の25億5500万ドルと、市場予想の26億6000万ドルを下回った。2014年10−12月期の26億4000万ドル以下に終わっている。医薬品部門の売上高も24.6%増の21億7230万ドルだったとはいえ、2014年10−12月期の22億8700万ドルに届かなかった。
製品別では、主力の多発性硬化症薬”テクフィデラ”が63%増の8億4290万ドルだったとはいえ、一部のアナリスト予想9億3100万ドルに及ばず。2014年10−12月期からは10%減少した。同じく多発性硬化症薬”タイサブリ”は4.9%増の4億6260万ドル、”アボネックス”にいたっては9.1%減の6億9270万ドルにとどまる。それぞれ2014年10−12月期の4億8390万ドル、7億3600万ドルを下回った。新製品での成長が見込みづらいこともあり、決算を受けて株価は一時6%超も急落した。
▽ゼロックス
複合大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比20%減の2億2500万ドルだった。調整済み1株当たり利益は0.21ドルで、市場予想と一致。売上高は6.3%減の44億6900万ドルとなり、市場予想の45億6000万ドルを下回った。ドル高圧力に逆らえずユーロと加ドルがそれぞれ約17%下落したため、両通貨合わせて売上を25%押し下げたという。
売上の部門別動向をみると、全体の56%を占めるサービス収入が2.7%減の25億1400万ドル。印刷ビジネスも10.5%減の18億3000万ドルだった。
2015年通期の調整済み1株当たり利益は0.95〜1.01ドルを見込み、従来の1.00〜1.06ドルから引き下げた。アナリスト予想平均の1.02ドルにも届いていない。為替変動を除く売上高も0%以下〜1%増とし、従来の横ばいから下方修正している。背景に、「為替の逆風」すなわちドル高を挙げた。なお同社は2014年10−12月期に580人の人員削減を行ったという。業績と見通しを嫌気し、株価は一時10%もの大幅安を示した。
▽アメリカン航空
航空会社大手が発表した1−3月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比94.2%増の9億3200万ドルだった。原油相場が2014年6月のピークから最大で約60%も急落した恩恵を受け、燃料負担が37.8%減の3億1100万ドルとなり飛躍的な増益を果たしている。合併関連費用の2億2300万ドルを含めた特別費用3億1100万ドルを乗り越えた。ベネズエラのレパトリ関連費用など特殊項目を除く調整済み1株当たり利益は1.73ドルと、市場予想の1.71ドルより強い。ただ収入は1.7%減の98億2700万ドルで、市場予想の98億3000万ドルにも届かず。ドル高、および南米での経済鈍化が収入を押し下げた。
売上の落ち込みは、利用客の減少が挙げられる。悪天候もあり旅客数が0.8%減となった半面、輸送能力は0.8%増。有効座席マイル(ASM)は0.9%減、有償旅客マイル(RPM)も1.4%減とそれぞれ落ち込んだ。結果、ASM当たりの旅客収入(PRASM)は1.7%減の13.44セントにとどまる。ロードファクター(有償座席利用率)も79.9%と、前年同期の80.3%を下回った。業績内容はさえなかったものの、株価は一時3%超も躍進した。
余談ながら競合のデルタ航空は利用客数が増加した一方、ドル高圧力で収入が圧迫されていた。1−3月期の輸送能力は5%増、旅客数は3.6%増のところ、PRASMは1.7%減少。有償座席利用率も81.7%と、前年同期の82.7%から低下していた。
(カバー写真:John West)
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